24 05
Anker「Eufy HomeVac H30 Infinity」レビュー、吸引しながら水拭きもできる!

新型コロナウイルス禍でステイホーム生活が長引く中で老若男女から注目を集めており、“今こそ欲しい!”と思われる家電製品の一つが「コードレススティック掃除機」ではないでしょうか。私はとあるラジオ番組の「生活のお悩みを家電で解決する」という家電紹介コーナーで商品選定を担当しているのですが、そのお悩みやニーズでも「軽くて取り回しがしやすいコードレススティック掃除機が欲しい」というのはとても多いです。

特にここ2~3年ほどは、吸引力が強いけれどもちょっとお高い掃除機よりも、吸引力はそこそこでも軽くて持ちやすく、しかもリーズナブルな「軽量コードレススティック掃除機」が人気になっています。

大手メーカー各社が標準質量(本体からバッテリー、ヘッド、延長パイプまで含めた質量)が1.2kg~1.4kgといった軽量モデルをラインアップする中で、新たな注目株として出てきたのが「延長パイプ&ヘッド付きハンディ掃除機」です。

今回はその中から、Ankerの「Eufy HomeVac H30 Infinity」をテストしてみたいと思います。

Anker Eufy HomeVac H30 Infinity(Amazon)

■本体が軽くて使いやすい「ハンディ掃除機+α」モデル

「軽量コードレススティック掃除機」と、「延長パイプ&ヘッド付きハンディ掃除機」は何が違うの?と思われるかもしれません。「ほぼ一緒」というのが正しいのですが、その違いは延長パイプとヘッドの“作り”にあります。前者の場合はヘッドにブラシを搭載しているだけでなく、モデルによってはモーターを搭載する「自走ブラシ」になっています。延長パイプもしっかりとした作りで、基本的に家中を毎日しっかり掃除できることを念頭に置きつつ、全力で軽量化に振ったモデル……という位置付けです。本体サイズもパワフルなモデルに比るとコンパクトなものの、ハンディ専用掃除機に比べると大きいです。

後者の場合はコンパクトなハンディ掃除機に、正直に言うと「ちゃちな延長パイプ」に「ちゃちなヘッド」が付属したもので、ファミリーで使うにはちょっと心もとないかな……と思われるような作りになっています。しかし、その代わり価格が抑えめというのが強みです。

そんな前提で、Eufy HomeVac H30 Infinityを見てみましょう。

本体は長さ42.5×高さ9×幅7.3cmとかなりコンパクトで、重さは約808g。ぱっと見で「ハンディ生まれ」というのが分かります。充電時間は約4時間で、掃除時間は省電力モードで最大20分、最大モードで最大10分です。

フローリング用ノズル(ヘッド+延長パイプ)のほか、ミニモーターブラシ、コンビネーションノズルが付属します。さらに、水拭き掃除が可能なモップモジュールと、使い捨てモッピングクロスが付属するのがユニークなところです。

フローリング用ノズルを装着すると、ほぼコードレススティック掃除機と同じ見た目に変身します。

フローリング用ヘッドにはブラシが付いていないので、フローリングに関しては簡易掃除という感じが否めません。とはいえ、フローリングにコーヒー粉をまいて掃除したところ、難なくすべて吸いきってくれました。最大モードでは80AW / 16000Paと、従来モデルの「Eufy HomeVac H11」に比べて約6倍の吸引力を実現したとのこと。吸引力としては申し分ないように感じられます。

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 Anker「Eufy HomeVac H30 Infinity」レビュー、吸引しながら水拭きもできる!

■本体に搭載するLEDライトで前方を照らしながら掃除できる

ミニモーターブラシを装着すると、回転ブラシでゴミやホコリをかき出しながら、ソファやベッドなどを掃除できます。ただし、フローリング用延長パイプには装着できないのが残念なところです。

本体前面にはLEDライトを搭載しており、前面を照らしながら掃除ができます。

フローリング用延長ノズルやミニモーターブラシではうまく使えませんが、短めのすき間ノズルに出し入れ可能なブラシが付属するコンビネーションノズルではいい感じに照らしてくれます。ハンディ掃除機として卓上掃除などに使う場合は、これを装着するといいでしょう。筆者の場合は、これをエアコンのフィルター掃除に使ってみました。フィルターを外さずにそのまま掃除できるのはなかなか便利です。

■「使い捨てモッピングクロス」で吸引掃除しながらの水拭き掃除も可能

さらにユニークなのが、付属するモップモジュールと使い捨てモッピングクロスの組み合わせです。

箱の中に入っているモップモジュールは透明のプラスチックでできており、製品パッケージの一部品に見えてしまいます。ともすると捨ててしまいかねませんので、その点だけは注意してください。

付属する使い捨てモッピングクロスには水分が含まれており、フローリング用ヘッドに装着したモップモジュールに貼り付けて使います。フローリング用ヘッドがゴミやホコリを吸引するための穴は開いているので、吸引しながら水拭き掃除ができるようになっています。

使い捨てモッピングクロスに少しコーヒー粉が付いてしましましたが、ゴミも床拭きも同時に行ってくれるのはなかなか便利に感じます。

■フローリング用延長ノズルを付けたまま手軽に充電できるのも魅力

Eufy HomeVac H30 Infinityの面白いのは、充電ドックに本体のお尻を設置するところだと述べましたが、これはフローリング用延長ノズルを装着したままで充電できるメリットにもつながります。

このモデルはヘッドや延長パイプと本体に「カチッ」とはまるような機構がないため、脱着に少し力が必要になります。充電のたびに抜き差しが必要になると、それだけで面倒くさく感じてしまうことでしょう。しかし普段はフローリング掃除に使いつつ、たまにハンディ掃除機として使うのであれば、普段はフローリング用延長ノズルを装着したまま充電し,必要なときに取り出して掃除するといった使い方もできます。もちろん取り外して充電してもいいのですが、そのあたりの自由度があるのはGOODポイントです。

ただ、ちょっと気になる点もありました。まず、充電ドックの左右にある「アクセサリーポート」はコンビネーションノズルと別売のマルチノズル用で、「ミニモーターブラシは本体に装着して保管することをお勧めします」と製品情報サイトにはありました。実際にはギリギリ置けなくはないので、そこに置いてしまったもいいのですが、ちゃんと置けるように設計してほしかったと思います。

もう一つは、ヘッドの脱着時に吸い込んだゴミがこぼれてしまうことがありました。吸引力はいいのですが、本体の吸引口の密閉度が高くないことから、こういったことが起きてしまうようです。ダストケースはしっかりと装着できるような機構があるものの、脱着には力が必要だと感じました。

いくつかマイナスポイントもありましたが、価格的にはなかなかリーズナブルに思えます。一人暮らしの方はもちろん、ロボット掃除機と組み合わせてちょっとだけ掃除したいという家庭にも向いているのではないでしょうか。

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