従来、『成人病』と呼ばれていたガン・心臓病・糖尿病・高血圧症・脳卒中などの病気は、『生活習慣病』といわれるようになりました。厚生労働省では『生活習慣病』を『食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する症患群』と定義しています。つまり、毎日の生活習慣が発症に関係していると考えられる病気の総称が『生活習慣病』ということになります。この病気を予防するためには、文字通り生活習慣の改善に取り組まなければなりません。また、発症後、治療と平行して生活習慣の改善を進めなければ、疾病の進行防止の効果が期待できません。ところが、最近、『地球温暖化促進行動症候群』という新しい疾病が『生活習慣病』の仲間入りをしました。この病気の症状としては、次のような行動パターンがみられます。
『地球温暖化促進行動症候群』のため、地球環境は、むしばまれつつあり、私たちの健康も危うくなるといわれています。この病気により地球の温暖化が進んだ場合、熱射病の死亡率の上昇、光化学オキシダント濃度の増加による健康への影響、マラリア影響地域の拡大などが予測されています。この病気の特効薬は、まだ発見されていません。今のところ、他の『生活習慣病』と同じように生活習慣を改善し、地球温暖化を防止するライフスタイルを確立することが、病気の進行を止める唯一の方法です。
ちょっとした工夫で、冷暖房機器は効率的に使えます。家計の節約にもつながる省エネルギーを進めましょう。室温の目安は冷房時28℃、暖房時20℃です。
冷暖房時に扇風機を使ってみましょう。冷房時には風により体感温度が下がりますし、暖房時には天井付近に留まりがちな暖かい空気を部屋全体に行きわたらせ、効率的な空調をすることができます。
部屋に入ってくる熱の20~30%、部屋から逃げていく熱の10%は窓からです。そのため、天候や時間帯によってカーテンやブラインドをうまく活用すると、冷暖房効果をあげることができます。
エアコンと電気カーペットを併用すれば、室温が多少低めでもここちよく、エアコンだけのときにくらべ約25%の省エネになります。電気カーペットの下に保温性のよいマットや布を敷きましょう。消費電力量の減少につながります。電気こたつに掛けぶとんだけでなく敷きぶとんを併用すると、5~15%の省エネ効果があります。
私たちは『より速く、より物質的に豊かに』を目標に社会・経済を発展させ、快適で便利な生活を送ってきました。ところが、大量の資源やエネルギーの消費を前提とした、この社会・経済システムは温暖化をはじめ、地球環境に多くの負荷を与え続けています。このあたりで、地球環境と資源の有限性を再認識し『時は金なり』の呪縛から解き放たれて価値観の転換を図らなければ、地球の未来にともっている黄信号は赤に変わりかねません。地球の限りある環境と資源を前提とした社会に、無限の発展はありえないからです。家庭で『本当の豊かさ』『ほどほどの効率性・快適性』について話し合ってみましょう。そのとき、キーワードになるのが『地球環境時間』という考え方です。従来のように時間の価値を単に60進法だけで捉えたものではなく、地球環境に与える負荷の度合いも加味して判断する新しい時間の概念です。たとえば、マイカーに乗って10分で行けるところに自転車を使って20分かけて行く場合、二酸化炭素・窒素酸化物等の排出量がゼロの自転車の方が地球環境時間では、価値が高いことになります。また、キュウリのサラダをお正月に食べるのと夏まで待って食べるのとでは、7ヶ月待っても旬を味わう方が、より豊かということになります。それは、ハウス栽培のキュウリには、露地物の5倍のエネルギーが使われているからです。商品を買うときに、製品等の一生(製品の原材採取・製造・流通・使用(消費)・廃棄)を通して環境へ与える負荷に配慮した製品(グリーン製品・エコ商品)を選択して優先的に購入することを『グリーン購入』といいます。グリーン製品は従来のものと比べると、若干、価格が高い場合があります。この価格差を『地球環境コスト』といいます。たとえば、ノートで古紙配合率100%・白色度70の製品(150円)と古紙配合率70%・白色度80の製品(120円)がある場合、この30円の価格差が『地球環境コスト』です。今、温暖化・オゾン層の破壊・酸性雨など、地球環境は危機的状況にあります。かけがえのない緑の地球が、いつまでも美しく輝き続けられるために、人間的な真の豊かさについて、地球環境時間・地球環境コストを一つのキーワードとして考えてみましょう。そして、エコライフの実践を通して『大量生産・大量消費・大量廃棄』の社会を『最適生産・適量消費・最小廃棄』の循環型社会に転換していきましょう。
森林は経済的価値だけでなく、生態系の維持・水資源のかん養・二酸化炭素の吸収・景観の向上などの機能を有している大切な緑の空間です。春のやわらかな新緑・夏のうっそうと茂った木々・秋の燃えるような紅葉・冬の裸木のシルエット、四季折々の森の表情は、私たちの心をなごませてくれます。光市は面積の51%を森林が占めています。ふるさとの原風景といわれる白砂青松の虹ヶ浜・室積海岸は、瀬戸内海国立公園地域であるとともに『日本の白砂青松100選』『日本の名松100選』『森林浴の森日本100選』などに選ばれています。また、室積地区の峨嵋山樹林は、暖帯林の特徴をなすシイノキ・タブノキ・ヤマモモ等の常緑広葉樹が豊かで、国の天然記念物に指定されています。自然研究路が整備されていますので、家族でのハイキングも素敵ですね。樹木は光合成により二酸化炭素を吸収して体内に固定してくれます。そのため、森林は、二酸化炭素の貯蔵庫として地球温暖化防止に有効な役割を果たしてきています。しかし、世界的には、熱帯林の減少・酸性雨による被害などで危機的状況にあります。
工場・火力発電所・自動車などから排出される硫黄酸化物や窒素酸化物が、大気中や雲水中の物質と反応し、強い酸性の雨となって降る現象をいいます。酸性雨は、草や木にとって必要な土の中の栄養分を壊して植物を枯らします。また、湖や沼の水を酸性にするため、魚が死んでしまいます。特にヨーロッパ・アメリカで深刻ですが、わが国でも、関東地方をはじめとして、各地でかなりの被害が生じています。
緑を見ると心がやすらぐのは、昔、私たちの祖先が樹上生活をしていたころの名残だともいわれています。身近な自然を大切にするとともに、森林を守るため、電力や自動車燃料などの省エネルギーに努めましょう。また、古紙再利用商品の購入を進めるとともに、紙のリサイクルに取り組み、パルプ材の消費量を削減しましょう。
エコクッキングとは、環境に配慮した調理のことで、これには3つのポイントがあります。
日本は四季に恵まれ、季節感あふれる食材が豊富です。旬のものは、みずみずしく美味であるだけでなく、生産段階でのエネルギーの使用量もハウス栽培や養殖魚より格段に少なくてすみます。食卓で季節を感じられる生活は素敵だと思いませんか。できるだけ旬の食材を使って、あなたの腕をふるいましょう。わが国へは世界各国からさまざまな食材が輸入されています。これらのものは、地物と比べると流通段階で多くの輸送エネルギーを消費しています。二酸化炭素の排出量は、同じ輸送手段を使えば、運ぶ距離に比例して多くなります。環境保全だけでなく地域振興にもつながる食材の地物購入に努めましょう。
熱エネルギーを使わずに生で食べれば、調理段階での二酸化炭素排出量は最小になります。加熱する場合はエネルギー使用量が少なくなるように、また、エネルギーを効率よく使えるように工夫しましょう。また、食材をムダなく使い、適量の料理を作ることも大切です。
流しの排水管は川や海につながっています。台所からの排水に配慮し、水質保全に努めましょう。残った食事は別の料理にアレンジしてみましょう。それでも使えなかった残飯などの生ゴミはコンポスト等で処理して土に戻すか、水を良く切って可燃ゴミに出しましょう。
地球の資源には、石油・天然ガス等の化石燃料や鉄鉱石・ボーキサイト等の鉱物のように使いきってしまえば、資源そのものをつくりだすことが不可能なものがあります。限られた資源は、できるだけ大切に使いましょう。そのためにも『4つのR』をキーワードに、省資源・省エネルギーにつながるゴミの減量を推進しましょう。
私たちが購入するのは商品そのものです。買物袋を持って行き、レジ袋を断りましょう。お気に入りのマイバッグは素敵なファッションです。また、ギフト商品も過剰包装をやめ、エコパッケージで贈りましょう。
あなたが買おうとしているのは、『必要なもの』ですか。それとも『欲しいもの』ですか。消費財は、いつか必ずゴミになります。本当に必要なものだけを購入し、資源の消費を減らしましょう。また、長持ちするものや再使用できるものを選び、使い捨て製品・過剰包装商品を買わないようにしましょう。まず、ゴミになるものをできるだけ家庭に持ち込まないことです。
ものの寿命が最大限に生かせるよう大切に繰り返し使い、ゴミを減らしましょう。家電製品などは修理して長く使い、衣類はリフォームするなど、工夫をしましょう。まだ使える不用品は、バザーやフリーマーケット等へ出しましょう。
リデュース・リユースに努めても排出されたものは、ものをつくるための原料やエネルギーとして形をかえて再利用し、資源を循環させましょう。また、リサイクル原料でつくられた製品を購入するように努め、再生品の市場を広げてください。そして、資源が循環する社会をつくっていきましょう。
品質・価格等がほぼ同じだとしたら、商品を選ぶときに容器は重要です。(リユース・リサイクルできない容器はゴミになり、資源とエネルギーのムダにつながります。)
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