苦手なことはテクノロジーで解決!
人間が生活しているとどうしてもやらなければならないことのひとつに「掃除」があります。僕はこの掃除がどうも苦手。苦手というか、やりたくない。面倒臭い。
最近はそんな面倒臭い掃除を便利にしてくれるロボット掃除機なんてものもあり、それなりにラクにはなってきているのですが、お風呂掃除はまだまだ人間の手が必要です。
お風呂掃除ってたいへんですよね。ほぼ毎日やらなきゃならないし、体勢がきつい、腰が痛くなるし。ちょっと掃除をおろそかにするとピンク色の汚れが目立ったり、もっと放っておくとカビが発生したり…。浴槽の内側の水垢の線も気になります。
正直やりたくないんですよ、お風呂掃除! ピカピカのお風呂をキープするのがたいへんなんです。こんな想いを抱えながら、毎日のお風呂掃除をしている方も多いのではないでしょうか。
そんな鬱々とした気持ちでネットの海を漂っていたとき、すごいものを見つけました。TOTOの「おそうじ浴槽」というもの。なんと自動でお風呂掃除をしてくれるんだそうです。あの面倒臭いお風呂掃除を自動でやってくれるなんて、控え目にいっても神。
いったいどんなものなのか、どれくらいのお掃除効果があるのか。この目で確かめてきました。
訪れたのは、東京にあるTOTOのある施設。ここで自動でお風呂掃除をしてくれる、おそうじ浴槽のデモンストレーションを特別に見せていただくことに。ありがとうございます。一連の流れを簡単に説明すると次のような感じです。
1. 浴槽のなかのお湯を抜く
2. 洗剤噴出
3. 水で洗い流す
4. 2〜3を6回ほど繰り返す
5. お掃除完了
6. お湯張り
ボタンを1回押すだけで、これらを全部自動でやってくれるんです! なんという神機能でしょうか。掃除にかかる時間は約7分とのこと。使用する洗剤はお風呂用中性洗剤。TOTOさん公式洗剤は花王のバスマジックリンとなっています。洗剤タンクの容量は850mlと結構な大容量となっており、だいたい1カ月くらいは持つとのこと。
気になるお掃除にかかる費用は、1回の洗浄で20円前後。1カ月毎日使ってもだいたい600円くらいですか。月600円+洗剤代だけお風呂掃除から解放されるのなら、実質タダですね。
でも、実際のところどうなんでしょう? やっぱり手で洗ったほうがきれいになるのでは? ということで、デモンストレーションをしていただきました。
施設内のおそうじ浴槽にやってまいりました。ここでデモンストレーションをしてくれるとのこと。
まずは浴槽の汚れの代わりとして油分が多いチョコシロップを浴槽に付けていきます。
お次は洗剤のセット。
洗剤投入口は浴槽の上部にあります。この蓋を開けて…。
バスマジックリン投入。わかりやすいところに洗剤投入口があるので入れやすい。このサイズでは1本では足りませんね。詰め替え用などの大きなやつをドバドバ入れてもいいでしょう。これで1カ月くらいは持ちます。
デモンストレーション用に透明な蓋をセット。
右が水栓。左が洗剤吐出口です。
操作は専用のリモコンのボタンはもちろん、専用アプリからも行なえます。お掃除をスタートさせると、まずお風呂に入っている水が抜けます。最近は防災のためにお風呂に水を張ったままのご家庭が多いことから、湯抜きから行なえるようにしたとのこと。
洗剤噴出→流水を数度繰り返していきます。別にお風呂場にいる必要はありません。リビングでゆっくりしていてOK。
その間にもおそうじ浴槽はせっせとお掃除をしてくれています。優秀。
お掃除終了です。汚れに見立てたチョコソースはほとんど落ちていました。素晴らしい。あとは自動でお湯張りを行なってくれます。
お風呂掃除からお湯張りまでを一連の流れでやってくれるので、普段お湯張りをしているのとなんら変わりありません。お湯はりだけよりもちょっと時間がかかりますが、それほど気にならないのではないでしょうか。
また、アプリから実行できるのもポイント。家にいるときだけではなく外出先から操作できるので、帰り道の途中でスイッチオンにすれば、家に着いたら即ピカピカのお風呂に入れます。冬の寒い日やお子さんとの外遊び後なんかにいいですね。
TOTOの方によれば、普段のお手入れはこのおそうじ浴槽で行ない、人力による掃除は2週間に1回くらいを推奨しているとのこと。毎日のお風呂掃除が2週間に1回に減るというだけで「天国か!」と思いましたよ。
浴槽だけじゃないんです。なんと洗い場の掃除と除菌も行なってくれる「床ワイパー洗浄」という機能もあるとのこと。こちらもデモンストレーションをしていただきました。
床ワイパー洗浄のノズルは、鏡の下のカウンターのさらに下にあります。あまり目立たないところにあるのが奥ゆかしい。
洗浄具合がわかりやすいように、入浴剤を溶かした水を床にまきました。鮮やかな緑が目にまぶしい。
リモコンにある床洗浄ワイパーのボタンを押すと、動作スタート。
するとノズルから水が噴出されます。最初の数回は水道水が出てきます。
徐々に水が洗い場全体を流すように回転して噴出してきます。ちゃんと洗い場の隅まで届くように水の吐出角度や噴出量などが計算されているとのこと。ここ、かなりTOTOのテクノロジーを感じました。
あんな小さな下向きのノズルでもちゃんと水が洗い場全体の隅々まで届いています。すごい!
洗浄が数回繰り返され、最後には特別な水が出てきます。この水は「きれい除菌水」というもので、TOTO独自の技術で水道水を電気分解して生成した次亜塩素酸を含んだ水となっています。これを最後に噴出することで、次亜塩素酸の除菌成分で洗い場全体を除菌してカビの発生を抑制します。
このフィルターは半永久的に使えるそうなのでお手入れ要らずというところもいいですね。
TOTOさんによれば、最近お風呂に入らずにシャワーだけで済ます人が増えているそう。その理由のひとつが「お風呂掃除が面倒だから」なんだとか。たしかにお風呂にお湯を溜めなければ、掃除しなくてもいいですもんね。
でも、シャワーだけだとリラックスできないのも事実。ほんとはゆっくりお風呂に浸かりたいけれど、掃除が面倒だからシャワーで済ませているという人は、このおそうじ浴槽+床洗浄ワイパーの組み合わせは神様が与えてくれた宝物のように感じるかもしれませんね。
今回のデモンストレーションを見たら、うちにも「おそうじ浴槽」と「床洗浄ワイパー(きれい除菌水)」欲しくなりましたよ。
ただ、これらを導入するにはユニットバスごと入れ替える必要があるんですよね。しかもおそうじ浴槽と床洗浄ワイパーはオプションとなっているため、通常のユニットバスにだいたいプラス25万円くらいの費用が発生します。
賃貸マンションだと導入は難しいかもしてませんが、マイホームを持っている方や分譲マンションにお住まいの方でそろそろお風呂場のリフォームしたいなと考えている方、そして自分の家を建てようかなという方なら入れる価値はあると思いますよ。僕なら入れたいです。
だって、お風呂のリフォーム費用にプラス25万円くらいで、お風呂掃除から解放されるんですから! これ、日割り計算したら実質ゼロ円みたいなもんですよ(僕はなんでも日割り計算してゼロ円にする脳の持ち主)。
これがもっともっと一般化されていけば、10年後や20年後にはどの浴槽にもお掃除機能が付く世界がやってくるかもしれません。そうなったら僕、1日4回くらいお風呂入っちゃうし、お風呂掃除に費やしていた時間でギズモードの原稿いつもより多く書いちゃう!
そういう世界を夢見て、今日もお風呂掃除しようかな…。ああ、おそうじ浴槽欲しいなぁ…。
Photo: 三浦一紀
Source: TOTO