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「ドライクリーニング」と「家庭洗濯」の違いは?仕上がりトラブルを防ぐ出し方も(CHANTO WEB)

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「ドライクリーニング」と「家庭洗濯」の違いは?仕上がりトラブルを防ぐ出し方も(CHANTO WEB)

洗濯機を使う家庭の洗濯と、クリーニング店でのドライクリーニング。実際どんなふうに違うか知っていますか?クリーニング会社の三代目であり、洗濯家として活躍する・中村祐一さんに、ドライクリーニングと家庭洗濯の違いや特徴、クリーニングの上手な活用法について教えてもらいました。

決定的な違いは「何を使って洗うか?」

家庭での洗濯は、洗濯機でも手洗いでも「水」と「洗剤」が欠かせません。しかし、ドライクリーニングでは「水」ではなく、かわりに石油などの揮発性の「油」を使って洗います。水の代わりに「油」を使うと聞いても、なかなかイメージしづらいかもしれません。油で洗う最大のメリットは、本来の色・艶・形を崩さずに洗えること。たとえば、トイレットペーパーでさえも、破れたり千切れたりせずに洗えてしまいます。水とドライクリーニング用の油、それぞれを入れたビーカーの中にトイレットペーパーを入れてよく振ると、水の方はトイレットペーパーがぐちゃぐちゃに溶けてしまうのですが、油のほうはまったく変化がありません。取り出して乾かせば、そのまま使えるほど元の姿を保っています。ちなみに、ドライクリーニングを行うには専用の設備が必要なので、家庭ではできません。洗濯機のドライコースや、市販のドライ洗い用洗剤などがありますが、これらは「水」を使った優しい洗濯方法なので、「油」を使うドライクリーニングとはまったくの別物です。

ドライクリーニングに適した衣類は?

水を使った洗濯の場合、繊維(糸)が水分を吸収することで形状変化を起こしますが、油を使った洗濯(ドライクリーニング)はそれが起こりません。たとえば、ウールの場合は、水で洗うと、繊維の表面にある髪のキューティクルのように連なるウロコが開いてしまい、その状態で揉まれると「フェルト化」と言って、縮みや風合いの変化が起こります。ですが、油で洗うドライクリーニングではウロコが開かないので、その心配がいらないということになります。

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