ガスファンヒーターは、空気を乾燥させることなく部屋を暖められる優れもの。肌寒くなってくると、部屋に設置したいと思う人も多いのではないでしょうか。今回は、ガスファンヒーターの工事の手順や費用などを詳しく解説します。設置する部屋にガス栓がなくても工事が可能であればガスファンヒーターは設置できるので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
ガスファンヒーターは、ガスを利用して部屋を温める暖房器具です。空気を温める能力が非常に高くすぐに部屋が暖かくなるにも関わらず、空気が乾燥しないという特徴があります。
空気が乾燥するとウイルスの活動が活発になるので、湿度を保つことは風邪などの感染症予防にもつながります。
ガスファンヒーターはガスを使うため、設置するときにはガス栓とガスコードが必要です。もし、設置場所にガス栓がなければ増設工事をしなければなりません。また、使用するガスの種類が都市ガスかプロパンガスかによって選ぶ機種も異なります。そのため、ガスの種類や部屋の広さに合うガスファンヒーターを選びましょう。
ガス栓の増設工事をすると聞くと、「とても大がかりな作業になるのかも」と思う人もいるかもしれません。実際にはどのような工事が行われるのでしょうか。ガスファンヒーター工事の流れについて詳しく解説します。
申し込み
ガスファンヒーターを設置したい部屋にガス栓がない場合は、まずガス栓増設の申し込みを行います。
ここで注意したい点は、申し込み先です。申し込みをするときは、ガスファンヒーターを取り扱っている販売会社ではなく、契約しているガス会社に連絡をします。ガス栓の増設工事はガス管をさわるため、必ずガス会社への連絡が必要です。
工事費を節約するために自分でDIYしようと考える人がいるかもしれませんが、素人がガス管を工事することは大変危険です。自分で工事せずに、必ずガス会社に連絡しましょう。
下見・見積もり
ガス栓の増設工事をする場合、部屋のどこにでもガス栓を設置できるわけではありません。位置的に増設できない場合があったり、増設ができても場所が限られてしまったりすることもあります。
家のつくりによってガス栓を設置できるかどうかが異なるため、増設する場所の下見が必要です。また、分岐部分から設置場所への距離によって料金が変わります。距離が長ければ長いほど工事費用が高くなるので、実際に設置する前に見積もりを出してもらいましょう。
工事
ガス栓増設工事は、工事をする規模によって工事時間が異なります。
既存のガス栓を利用できるなら30分程度で工事が完了しますが、既存のガス栓を取り替える場合の工事時間は1時間程度でしょう。もしガス栓がなくて新設する場合は半日ほどかかります。基本的にはその日のうちに終わる簡単な工事です。新設する場合は床や壁に穴を開けることになるため、その点だけ注意しておきましょう。
ここまで説明したように、ガスファンヒーターを設置するにはガス栓を増設するための工事が必要です。そのため、ガスファンヒーター本体の価格とは別に工事費用が発生します。本体価格と工事費用がそれぞれどのぐらいかかるのか、費用の目安についてまとめました。
ガスファンヒーター本体
ガスファンヒーター本体の価格は機種によって幅があります。一般的には温められる面積が広く、搭載されている機能が多いほど高額になります。
たとえば、広さ10畳に対応するガスファンヒーターなら2万円以下で購入可能です。しかし、20畳に対応できる機種を選ぶと、約4〜6万円と価格は倍以上になります。そのほか、温度に合わせて自動に設定温度を下げるエコ機能や、空気清浄機能がついているものは価格が高額になりがちです。
ガスファンヒーターを選ぶときは、金額と性能のバランスをみて部屋に合うタイプのものを選びましょう。
ガスファンヒーター工事費用
ガスファンヒーターの工事費用は、工事内容によって変わります。ガス栓を増設する場合にかかる費用は約1万〜2万5,000円ほどが目安です。しかし、この金額は分岐の有無やガス栓からの距離などでも異なります。また、ガス栓の取り替えでは1万円前後になります。
ガスファンヒーターのための工事は大がかりな工事に思えますが、基本的には1日で終わります。そのため、工事費用もそれほど高額ではありません。
オール電化の家にはガス管がないので、ガスファンヒーターは設置できないと思われるかもしれません。しかし、実際には外からガスを引き込むことでガス栓の増設が可能です。
ガスを新たに引き込むためには、まずガス会社との契約が必要です。ガス会社と契約する際は、都市ガスかプロパンガスか選ぶことになります。一度どちらかと契約すると、変更するためには再度工事が必要になるため、慎重な判断が必要です。
一般的に都市ガスのほうがプロパンガスよりも安いといわれていますが、プロパンガスは給湯器のリース代を無料にするなど、独自のサービスを行っている場合もあります。自宅の場所で契約できるガス会社をリサーチし、比較検討してみましょう。
1階にしかガス管がない場合でも、2階の寝室にガスファンヒーターを設置可能です。
ガスホースは長くなりますが、手順は同じフロアの増設するときとそれほど変わりません。給湯器、もしくはガスメーターからガスの元を取り出し、ガスホースを外壁面に沿って引き込みます。
ただし、家の形状によっては工事を断られたり、2階の場合は別途費用がかかったりすることもあります。見積もりのときに相談してみましょう。
ガスファンヒーターにかかる光熱費は、1時間あたりのガス代がだいたい40〜50円、電気代が0.5円程度でしょう。
この場合、1日8時間使用すると、1ヶ月でガス代が1万円前後、電気代は120円程度になります。ただし、機種や契約しているガスの種類、家の広さや気密性によって異なるため、この料金はあくまで目安の一つです。
エアコンの光熱費と比較
エアコンの場合、機種や部屋の大きさにもよりますが、1時間あたりの電気代は40円ほど。1日8時間使用したとき、1ヶ月の電気代は9,600円ぐらいです。エアコンの光熱費と比較すると、ガスファンヒーターのほうがやや光熱費が高い傾向があるといえるでしょう。
ただ、エアコンの光熱費もあくまで目安であるため、機種によってはガスファンヒーターの光熱費を超えることもあります。特に、古い機種の場合、省エネ機能が乏しく光熱費が高額になりがちです。「ガスファンヒーターはエアコンよりも光熱費が高い」とは一概にいえないため、注意してください。
ガスファンヒーターはすぐに部屋が温まるうえに乾燥しにくく、とても便利な暖房器具です。
ただし、場合によってはガス栓の増設工事が必要となります。ガス栓がない場合は、ガス会社に申し込みをして工事を依頼しましょう。工事といっても半日以内で終わるもので、費用も2万円程度で行うことができます。この冬はガスファンヒーターを設置して、家で過ごす時間を暖かく快適にしてみてはいかがでしょうか。
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