近年、トースターといえば高機能なモデルが注目されがちです。その反面、読者のなかには「機能はもっとシンプルでいいから、値段はリーズナブルなものがいい」と考える人もいるでしょう。また、学生や新社会人などこれから新生活を始める人にとっては、最初に揃える家電のコストはできるだけ抑えたいという意見もあるはず。
そんな人にぴったりなのが、ニトリの「単機能オーブントースター Nココル NT07」です。なんと、そのお値段は1990円(税込・以下同)。とはいえ、安かろう悪かろうで買うのはもったいないですよね。そこで、これまで数々の高級トースターを使い比べてきた筆者が、本当に“お値段以上”なのかチェックしてみました。
1人もしくは2人暮らしなら、トースターは2枚焼きで十分。Nココル NT07は2枚焼きモデルとなっており、本体サイズは幅310×奥行き235×高さ220mmとコンパクトです。
本体の底部にはスライド式の受け皿を備え、パンくずなどを捨てやすい設計となっています。このあたりは一般的なトースターと変わりません。
使い方は簡単で、タイマーを設定するのみ。調理する食材に合わせて加熱時間を調整して使うのですが、トーストは6枚切り2枚で2〜3分など、目安となる時間は取扱説明書に記載されています。
「2枚焼き」とあったので、山型食パンを焼こうとした筆者。ところが、山型だと1枚しか入らないんです……。筆者はひとり暮らしなのでこれで問題ないのですが、「同時に2枚焼きたい」という人は山型食パンはNG。庫内が小さいと、こういった弊害が出てきます。
気を取り直して、タイマーを3分にセットして焼いてみることに。サーモスタットが働き、庫内の温度が高くなるとヒーターがオフになっていました。
一点気になったのが、タイマーつまみがちょっと固めな点です。本体が2.5kgと軽量なので、タイマーつまみを6以上にして戻そうとするときに、テーブルの上に置いて使うと本体が動きそうになってしまいました。
焼き上がったトーストを見てみると、少し焼きすぎたようです。薄めの焼き色が好きな人は2分にしておきましょう。
高級トースターの場合、「表面はカリッと、なかはしっとり」という特徴があります。このトースターの場合、特筆するほどおいしいかといえば疑問が残ります。しかし、不満に感じるほどでもなく、2000円しないでこれだけ焼ければ及第点だと思えました。
続いてバターロールも焼いてみたところ、「高さがあるので焦げやすい」という“トースターあるある”の壁にぶつかりました。絶対に焦がしたくないなら、上にアルミホイルを載せましょう。
2分にセットした場合、焦げる一歩手前といった感じ。今回はトースターの前に張り付いてチェックしていたのですが、朝の忙しい時間だと焦がす可能性があるので、1分にしたほうが無難です。
オーブントースターは、揚げ物の温めや冷凍ピザの加熱にも使えます。揚げ物は、油が落ちたり焦げたりしないようにアルミホイルに包んで3〜5分ほど加熱。サクッとなるというよりはふっくらした仕上がりになりました。電子レンジでの温めなおしのように、ベチャッとしないのがトースターの良いところ。
冷凍ピザは1枚を半分にカットして庫内に入れ、10分加熱しました。こういった加熱調理をするときに、高機能トースターのようにワット数を調節できないのは少し不便かもしれません。
簡単なおつまみを作るときなどはこのオーブントースターで十分。この日も筆者は日本酒に合うおつまみとして、栃尾揚げに味噌、ネギ、チーズを載せて焼いてみたのですが、こういった料理にも気兼ねなく使えます。
今回使用した「Nココル NT07」の強みは、やはりその価格に尽きます。1990円で一般的なオーブンオースターとしての役割は十分果たしてくれるので、不満を感じる人はいないだろうなと予想します。デザインもシンプルですし、キッチンに並べても主張しすぎないのが好印象です。
しかし、すでに高級トースターを使ってきた人にとっては、「温度調節ができない」「調理に応じたモード設定がなく、焼き時間を自分で調整する必要がある」といった点には不便さを覚えるかもしれません。とはいえ、これはあくまでも高級トースターを使いこなしていた人の話。「食パンを焼くだけ」など、高級トースターならではの機能を使いこなしていなかった人は、タイマーを設定するだけでいい「Nココル NT07」のほうが使いやすく感じるでしょう。
家電にあまりコストをかけたくないという人にとって、ニトリの「Nココル NT07」はお値段以上の価値を感じるはず。新生活を迎える人はもちろん、古いオーブントースターからの買い替えを検討している人は、候補に加えてみてはいかがでしょうか。
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