デザイナーから考案した家具について講評を受ける生徒たち
富山県が7月に富山市蓮町でオープンさせる「創業支援センター」に備える家具や照明器具などの製作発表会が4日、富山市の県教育文化会館で開かれ、富山工業高校建築工学科の3年生40人がオリジナル作品を披露した。生徒は本年度、県と協力して準備を重ねてきた。独創性あふれるアイデアがそろい、県内の建築関係者ら約80人が見入った。 創業支援センターは起業を後押しするため、県が旧職員向け住宅を改修して整備している。この改修計画は、富山工業高が2017年度に「建築甲子園」で優勝した際の団地改装のアイデアを基にした。同校が県などに協力を申し出て家具製作が決まり、20年度から建築工学科の3年生を中心に製作を進めてきた。 現在の3年生は昨年度の卒業生の取り組みを引き継ぎ、改良を加えた。この日は9グループに分かれて作品を発表した。県職員向け住宅の床材になっていたスギを再利用したり、座面と背もたれにペーパーコード(紙ひも)を使ったりした4種類の椅子を紹介。南砺市の城端しけ絹に五箇山和紙を張り、ランプシェードに仕立てた照明器具も披露した。
他にも、テーブルや置き看板、壁面のグラフィックデザインなどを発表。生徒は「先輩方の良さを生かしつつ、自分たちの色を出せた」「実際に施設で使われるのが楽しみ」などと語った。作品製作についてアドバイスしてきた県内外のデザイナーが講評した。
最終更新:北日本新聞