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電気代が静かに値上がり...その影響は?世界的な電力不足の真相を追う:ガイアの夜明け|テレ東プラス

1月21日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「世界が真っ暗に!?電気が消える日~電力ひっ迫の真相~」。かつては先進国でも電力安定供給の優等生だった日本。今、何が起きているのか...さらに世界でもより深刻な状況が。世界的な電力不足の真相を追う。

電気代が静かに値上がり...その影響は?世界的な電力不足の真相を追う:ガイアの夜明け|テレ東プラス

家庭の電気代の平均金額が約1300円も値上がり?

東京が4年ぶりの大雪に見舞われた日。電力の需要が急拡大し、停電スレスレの事態に見舞われた。IT企業に勤める岡田さんは、育休中の奥さん、3人の子どもと都内のマンションに住む。この時期に欠かせないのが暖房で、岡田家の電気代は、去年1年間、ほとんどの月で前年より高くなっていた。東京電力で算出している標準的な家庭の電気代の平均金額は、2021年1月に比べると、2022年1月では約1300円上がると言われている。現在、日本の電力の電源構成は、天然ガス、石炭、石油と火力発電が約77%。風力などの再生可能エネルギーは17%程度。2030年には世界の脱炭素基準を目指し、再エネの割合を増やすのが急務となっている。東京大学大学院 工学系研究科・小宮山涼一准教授は「再生可能エネルギー大量導入に伴い、電気料金が上昇するリスクをどのように長期的に抑制していくか。老朽化した火力発電の休止、廃止が進んで供給力全体が低下していく。今後10年間はそのような見通しになっている」と話す。世界でも深刻な電力不足が起きていた。電力の23%を風力発電で得ているスペインでも、去年の秋は風の量が少なかったため発電量が減少。電気料金も去年から1年で2倍に跳ね上がり、生活に大きな影響が出ていた。電気代高騰に対する抗議デモの主催者は「電気代を払えない世帯が増加している。その間も大手電力会社は収益を伸ばし続けている」と話す。スペインでは、時間によって3つの料金が設定されている。平日の昼や夕方から夜にかけては高く、深夜や土日は安く設定されているが、電気の使用量を気にしながら生活しても、毎月の電気代は1万5000円を超える。一方の中国では、政府が電気代を厳しく管理している。国民の生活への影響が大きいとして、家庭用の電気料金の値上げは見送られ、都市部の電気代は比較的安定している。世界中で電力が不足する中、価格が年々上昇し、争奪戦になっているのが「液化天然ガス=LNG」だ。メタンを主成分とし、冷やすと液体になるため輸送がしやすく、大量貯蔵が可能。LNGは石炭、石油と同じ化石燃料だが、CO2の排出量が少ないのが特徴で、日本はオーストラリアなどから年間7650万トン輸入。日本の電力の38%は液化天然ガスから作られている。千葉・袖ケ浦市にある日本最大のLNG貯蔵基地では、230万世帯が1年間使う量を貯めておける。今、なぜLNGの需要が高まっているのか。所長の犬飼朗さんは「再生可能エネルギー、例えばヨーロッパで風力がありますけども、最近あんまり風が吹かない。南米は水力発電に頼っているところもありますので、降雨量が下がって、それを補うガスが欲しい、LNGが欲しい。そういうマーケットの中で、LNG価格、国際価格が上がっている」と話す。袖ヶ浦からも近い「姉崎火力発電所」。東京ガスが一部LNGを供給しているこの場所で、あるミッションが行われているという。去年12月、番組案内人の松下奈緒が訪ね、その全貌をリポートした。

電源を考える選択「顔の見える電気」とは?

新たな価値観で電気を選ぶ人たちがいる。銭湯「電気湯」の主・大久保勝仁さんは、最近、電力会社を100%再生可能エネルギーの会社「みんな電力」に切り替えた。少し高くても納得できるところから買いたいと考えたのだ。大久保さんが契約したのは、東京・世田谷区にある「UPDATER」。社長の大石英司さんは大手印刷会社の会社員だったが、仲間と会社を設立。当初から再生可能エネルギーだけを扱う電力会社を目指した。「みんな電力」は、今では600以上の発電所と契約。ここ数年の環境意識の高まりで年商130億円以上を売り上げる。タッグを組む発電所選びには、徹底的なこだわりを持つ大石さん。「ちゃんと調達基準を持って、例えば地域で住民紛争が起きているような太陽光発電は買わない。電気だって顔はある。必ずみなさんの電気には生産者がいる」と話す。大石さんが目指すのは、生産者の顔が見える電力。選び抜いた発電所の一つが、神奈川・小田原市にある「おひるねみかん小田原発電所」だった。この発電所を経営する小山田大和さんは、1500万円をかけて設備を作った。1日の発電量は約58キロワットで、20世帯分の電気を賄えるという。元々は耕作放棄地だったが、パネルのもとで農業を復活させた。ソーラーシェアリングと呼ばれる農業と発電を組み合わせた事業を展開し、発電による収入は年間140万円ほど。農家にとっては大きな助けになる。小山田さんが作った電気は、全て「みんな電力」が買い上げる。田んぼから1.5キロ離れた、「スターバックスコーヒー 小田原飯泉店」の店舗でも使われている。スターバックスは、全ての店舗で使う電気を再生可能エネルギーに替えると宣言し、電気を地元で仕入れる地産地消を目指している。兵庫・稲美町。人口3万人ほどの静かな街で、大石さんは新たな取り組みを始めていた。自社で作る初めての本格的な発電所。太陽光で発電し、250軒分の電力を賄えるという。大石さんが描く未来とは――。 その他、番組は、「北京冬季オリンピック」を控えた中国の知られざる現場を緊急取材。去年、大停電に見舞われた中国は、何とか今を乗り切ろうと石炭火力発電をフル稼働させていた。脱炭素を謳う中、石炭発電へ回帰する中国。急速な需要の高まりにより、石炭の価格は急騰し、新たな問題が起きていた。環境対策と電力確保の両立はできるのかーー。この放送が見たい方は「テレ東BIZ」へ!

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