2022年2月4日発売の「日経トレンディ 2022年3月号」では「スマホ料金」を特集。最近のスマホは丈夫になったとはいえ、落として画面を割ったり、水没させたりした経験のある人は多いだろう。すぐに買い換えるよりも、修理して長く使ったほうがトータルコストは下がる。様々な修理業者の特性を理解した上で、適正料金で直すようにしたい。【図解】修理業者の種類の違い※日経トレンディ2022年3月号の記事の一部を掲載。詳しくは本誌を参照 大都市の市街地では、「スマホ修理」の専門店をよく目にするようになった。最近のスマホは丈夫になったとはいえ、絶対に故障しないというレベルではない。落として画面を割ったり、水没させたりした経験のある人は多いだろう。このとき、スマホを直して長く使えば、買い替え費用を払うよりは安く快適なスマホ生活を維持できる。街の修理店を必要に応じて活用することで、適正料金で直すようにしたい。 まず押さえておきたいのが、修理業者の種類の違いだ。例えばiPhoneの場合、メーカー修理の他に、アップルが認定した家電量販店など(ビックカメラ、カメラのキタムラなど)の「正規サービスプロバイダ」と、その他の登録修理業者の2種類がある。 両者の違いは、一言で言えばメイン基板を含む純正部品が使えるか否かになる。つまり、水没などによってメイン基板が損傷した場合は正規サービスプロバイダで修理(基板や本体の交換)をするしかないが、それ以外のガラス面、液晶、バッテリー、カメラ、コネクター、スピーカーなどほとんどの部分は、互換部品によって、一般の登録修理業者でも直せる。純正部品で直すよりも安価に修理できるし、基板交換を伴わない部分修理なら保存済みのデータが無くなる可能性も低い。Androidスマホも、GalaxyやXperiaなど世界的に売れているスマホは修理部品が流通しているので、様々な店舗で対応できる。●登録修理業者では、メーカーの保証の割引対象外になることも 正規サービスプロバイダでの修理は一般的に予約が必要で、即日修理が難しいことも多い。また、地方都市には少ない傾向もある。このため「有料修理プランのAppleCare+に入っていても、一般の修理業者で直すという人は多い」(ユウソリューションズ店舗事業本部技術推進課の前田勇士氏)という。ただし、登録修理業者で直すと、その後にメーカーの保証やAppleCare+などの割引対象外になることがある。 2021年には、独立系の修理事業者がアップルの認定により純正部品の提供を受ける「独立系修理プロバイダ」制度がスタート。今後は地方でも純正部品による修理を受けられる可能性が増える。 なお、一部の修理業者では、直すついでに“改造”を施せる。よくあるのがバッテリーの修理で、純正部品よりも大容量のバッテリーに交換するというもの。古い機種でも、新品のときより駆動時間が長くなり、寿命が延びて結果的に得になる。逆に“ダウングレード”によって修理費を抑える戦略もある。有機EL画面が割れたときに、あえて低価格な液晶パーツを使えば、修理費は数千円下がる。もちろん画面の見え方は変わるが「次のiPhone発売時まで使えればいい」などと割り切れるなら検討に値する。 さらに、時間に余裕があるなら、できるだけ都市部の修理業者で直すのも費用を下げるポイントだ。同じ企業の系列ショップでも、修理業者が密集していて競争が激しい大都市の方が修理費は安い。旅行や出張の予定があるなら、行き先付近のショップの修理価格も調べておくのがお勧めだ。
大橋 源一郎
最終更新:日経クロストレンド