中国のRoborockがロボット掃除機の最新モデル「Roborock S6 MaxV」など3製品を11日から発売する。日本ではSB C&Sが取り扱い、ECサイトで販売する。8日にはSoftBank SELECTIONオンラインショップ、Amazonなどで予約を開始。価格は7万9800円(税別、以下同)だが、30日までは5000円を割り引くキャンペーンも実施する。
2眼カメラ搭載のロボット掃除機「Roborock S6 MaxV」Roborockは、2014年に創業したロボット掃除機メーカー。2020年2月には上海証券取引所に上場し、世界40カ国以上で550万台以上を販売した。中国市場ではロボット掃除機でシェア23%を確保しているが、2019年はグローバルでも96万台を販売したという。
日本のロボット掃除機市場は2018年で75万台規模。2023年には140万台に達すると見込まれており、同社CEOのRichard Chang氏は日本を成長市場だと位置付けて力を入れていく考えで、「松竹梅」(Chang氏)という3製品を投入する。
同社のラインアップ。S6がS6 MaxVとなり、既存モデルやカラーバリエーションを合わせると5製品となる発売されるのは最上位モデルの「Roborock S6 MaxV」と、既存製品のカラーバリエーションでホワイトが追加された「Roborock S5 Max」、基本機能に抑えた「Roborock E4」で、価格はそれぞれ7万9800円、5万9000円、2万9800円となっている。
Roborock S6 MaxVは、一般的な円形のデザインを採用したロボット掃除機。LDSレーザーを採用した高精度で高速な空間認識性能に加え、2眼カメラを搭載することで視差を利用して3次元の距離を測定できるようになった。プロセッサにQualcomm APQ8053を搭載することでパフォーマンスが向上。精度も高められ、こうした機能強化によって室内のマッピングがより正確に、高速に行えるようになった。その結果、実際の間取りとマッピングの一致度は99%に達しているという。
独自のAI「ReactiveAI」を搭載することで、障害物の形状を具体的に認識。それがどんな障害物かを把握してアプリのマップ上にアイコンとして表示してくれる。障害物は自動的に回避して掃除してくれることに加え、物体が何かを把握しているため、安全なものならギリギリまで接近して掃除を行い、ペットのふんのような近づいて巻き込んでしまうと問題になる障害物は10cmほど離れて掃除するそうだ。
認識するのはスリッパのような履物や体重計、ちりとり、服などの布類、電源コードやケーブル類、ペットのふんの8種類で、それ以外の道の障害物でも幅5cm×高さ3cm以上の物体であれば「その他」として回避して掃除するという。カメラ下部には赤外線補助ライトを搭載するため、暗所でも障害物を認識して回避してくれる。現在、認識できない障害物も今後随時追加していく予定で、アップデートを配信していく。
8種類+「その他」の障害物を認識し、アプリ上に記載。これらを自動的に回避して掃除をしてくれる検知した障害物を自動で回避しつつしっかりと掃除できるように設計されたカメラの映像を遠隔から視聴する見守り機能も搭載。スマートフォンアプリからカメラの映像をリアルタイムで確認できる他、本体をスマートフォンからコントロールすることもできる。スマートフォンのマイクに話しかけるとその声が本体のスピーカーから流れ、一方通行ながらメッセージを届けることも可能だ。
遠隔から見守りができる。ゲームのように掃除機を動かせる上に、音声を届けることも可能だ動画や画像データは即時削除されるため、プライバシー情報の漏えいにつながりづらい。国際認証機関TUVの「ユーザーセキュリティ保護のためのTUV認証」をロボット掃除機として初めて取得したという。
Roborock製品史上という2500Paという吸引力は、従来モデルより25%向上しており、高い吸引力でごみを吸い取ってくれる。静音性も重視した設計で、「子どもが寝ている中での掃除も可能」としている。
多彩なごみを吸引できる高い吸引力。従来モデルの2000Paから25%向上した従来通り水拭き機能も搭載。高精度加圧式で水が床にたまらずに常に一定の圧力で拭き上げてくれるという。アプリで部屋ごとに吸引力や水量を設定できる他、カーペットのエリアは水拭きしない、などといった水拭き禁止エリアの設定もできる。
掃除の途中で充電がなくなると自動で充電ドックに戻り、残りの掃除に必要なバッテリー分だけを充電して、中断した場所から掃除を再開するため、最短時間で掃除が完了するという。
途中でバッテリーが足りなくなっても自動で帰還。必要だけ充電して再開してくれるスマートフォンアプリでは細かな設定も可能で、掃除したいエリアを指定したり、一部の部屋だけを掃除したり、指定した範囲から先には侵入しないようにするなど、多彩な掃除方法を設定できる。新たに掃除をする部屋の順番を指定する機能や、1階と2階といった複数フロアのマップを最大4つまで保存できる機能も備えた。
スマートフォンアプリから掃除する場所の細かな設定ができるRoborock S5 MAX(WH)は既存モデルのホワイトカラーモデル。Roborock E4はLDSレーダーではなくWジャイロとモーショントラッキングセンサーを搭載し、リアルタイムマッピングや障害物認識など一部の機能が省かれたエントリーモデル。水拭き機能やMi Homeアプリでの設定、スマートスピーカーといった機能は搭載されている。
「松竹梅」3製品の特徴S6 MaxVとS5 MAXに関しては、日本版のみ音声案内のバリエーションを内蔵している。SB C&Sがアンケート調査をしたところ、複数の音声案内があった方がいいと答えた人が40%。不要と答えた人は60%だったが、40%の人に向けて複数の音声を収録した。収録したのは博多弁の男女、関西弁の男女、京都弁の女性、津軽弁の男性の方言に加え、男性執事とアニメ声という8種類の音声から選択できる。
6種4地域の方言と男性執事、女性のアニメ声が選択できるSB C&Sでは、ロボット掃除機の役割として「しっかりと掃除をする」以外に、「いやしや家族の一員となること」を挙げており、音声が選べることで「ちょっと楽しめる機能」を盛り込んだという。
なお、この音声変更機能はS6 MaxVに加え、既存のS6、S5 MAX、S6 Pureでも利用可能だという。