30 03
ゴキブリが出た!一人暮らしでもできる対処法や予防法とは

家にゴキブリが出ることの問題点

ゴキブリとは

家に出る昆虫の一種、ゴキブリ。すべての昆虫の中でも、その大きさと素早い動き、不潔なイメージで一際嫌われている印象です。世界には約4,000種、日本にはうち約50種が生息しています。

ほとんどの種類は森林などで暮らしており、普段目にする機会はめったにありません。人家を好むのはたったの4種類。ヤマトゴキブリ、クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリです。

昼間はじっと潜み、夜になると活動します。隠れやすい場所は暗くて狭い場所、温かい場所、湿っている場所。電気の熱で年中温かい家電製品の裏や、観葉植物の鉢の隙間、水回りなどに隠れています。群れで生活し、高い繁殖力であっという間に数を増やします。

ゴキブリがもたらす3つの「害」

さて、ゴキブリはどうしてここまで嫌われているのでしょうか。その害について解説します。

害虫にはいくつかの分類があり、ゴキブリはまず「不快害虫」に当てはまります。不快害虫とは見た目で不快感を与える害虫のことです。家に出る昆虫として格段に体が大きく、静かに移動しふと気づくと出現していることから、安全なはずの家に「侵入された」という感覚を引き起こすのでしょう。ツヤツヤした黒い翅や脚の速さ、飛翔能力も恐怖を生む要因です。

次にゴキブリは「経済害虫」です。出しっぱなしの食べ物を食べたり、本や書類を汚したり、家電製品にひそんで電気系統をショートさせたりと、所有物にダメージを与えます。

ゴキブリは「衛生害虫」でもあります。日中は下水や排水口など湿っていて不潔な場所にひそみ、夜になると這い出てきてあたりを歩き回ります。ゴキブリが媒介するとされる微生物には、サルモネラ菌や大腸菌など、食中毒を引き起こすものも含まれています。さらに、糞や死骸がアレルギーやぜんそくの原因になることもあります。

「不快害虫」、「経済害虫」、「衛生害虫」であることが、ゴキブリが嫌われている原因です。とはいえ、ゴキブリもただの虫。家に出た時には心を落ち着けて、なんらかの対処をする必要があります。

出現時に仕留める!ゴキブリの対処法

(1)殺虫スプレー

もっとも効果的な手段が殺虫スプレーです。直接触れることなく退治でき、2秒ほど吹きかけるだけで効果てきめん。もっとも心強い味方と言えます。

ゴキブリが出た!一人暮らしでもできる対処法や予防法とは

市販されているものは一般に、人や犬、猫が多少吸い込んでも問題ない成分でつくられています。とはいえ、熱帯魚や両生類・爬虫類、昆虫など小さな生き物を飼っている家では使わない方が無難。また、燃焼性のガスが含まれているので、火の回りでは使わないなどいくつかの注意点があります。

最近は界面活性剤を利用し、泡で姿を覆い隠すタイプの殺虫スプレーや、冷却ガスで凍らせて動けなくするスプレーも発売されています。

(2)ガムテープで捕まえる

効果抜群な殺虫スプレーがいつも家にあるとは限りません。手近なもので叩いても良いのですが、不潔なものもエサにしてしまうゴキブリがつぶれると周囲まで汚れる可能性があり、抵抗感があります。

そこでおすすめしたいのがガムテープでくっつける方法。長めに切ったガムテープで押さえ込んでくっつけ、体に触れないようにしっかり包み込んでそのまま捨てます。怖くて近づけない場合は、棒の先に粘着面を外側にしてガムテープを取り付け、くっつけて駆除する方法もおすすめです。粘着力が強いタイプは壁や床などにダメージが残る場合があるので、気をつけて行ってください。

(3)消毒用アルコール・石鹸水

とはいえ、ガムテープで退治するにはある程度ゴキブリに接近しなくてはいけません。殺虫スプレーがなく、怖くて近づけない場合、即効性では一段劣りますが消毒用アルコールスプレーや石鹸水も効果的です。

この方法はどちらも「ゴキブリの気門をふさぐ」ことで駆除します。ゴキブリはお腹に並んだ気門という小さな穴から呼吸をします。もし水がかかっても、体の油分がはじくので気門は守られます。しかしアルコールや石鹸には油を溶かしたり落としたりする性質があるため、気門をふさぐことができるのです。

消毒用アルコールスプレーを使う場合、濃度60%以上のものを選びましょう。あまり低濃度のものや、すぐに揮発してしまう100%近いものでは効果がありません。ワックスをかけた木の床やプラスチックなど、かける場所によっては物を傷つける場合があるので注意しましょう。

液体石鹸や食器用洗剤も効果があります。自然に揮発する消毒用アルコールと違って拭き取る手間がありますが、身近なアイテムなので、ぜひ活用してみてください。

走る姿を見ずに駆除する方法

(1)捕獲器

ゴキブリは逃走の名人。姿を見かけたものの、すぐに見失ってしまうことは珍しくありません。そこで活用したいのが、粘着タイプの捕獲器。匂い成分で誘引し、箱の中に誘い込んで捕獲します。動けなくなっているだけでもかなり恐怖心がやわらぎますし、中身をそっと確認したらそのまま捨てればOKです。

ただし設置する場所選びにはコツが必要。見かけた場所に置けば良いとは限りません。前述したように、ゴキブリが好む暗くて狭くて温かい場所に設置しましょう。

(2)待ち伏せタイプの殺虫スプレー

ゴキブリの通り道や侵入しやすい場所に吹き付けるタイプのスプレーです。追いかける必要がないので落ち着いて対処できます。忌避と殺虫両方の効果を兼ね備えているのも特徴。時間が経つと効果が薄れるので、定期的に使用する必要があります。

(3)ホウ酸団子などの毒エサ

昔からある駆除方法といえばホウ酸団子です。ゴキブリが好む匂いをつけた団子にホウ酸を混ぜ込み、脱水症状を引き起こすことで駆除します。大きなメリットは安価であること。そして、材料を調達できればさらに安く自作もできることです。一方、ゴキブリがいなくなるまでに数日かかることや、小さな子どもやペットのいる家庭では誤飲事故の可能性がある点に注意が必要です。

(4)くん煙剤

くん煙剤は煙やミストで部屋中の虫を退治します。隠れ場所になりそうな押入れやクローゼットを開け放ったり、家電や火災報知器にカバーをかけたりと準備は少し面倒。また、虫や魚など小動物を飼っている場合は換気を徹底するか、使わないなどの制限があり、クモなどの益虫も死んでしまいます。とはいえ、引っ越し直後やゴキブリが元気になる春先などに使えば、かなり効果を上げられる方法です。

ゴキブリを家に寄せ付けない方法

(1)持ち込まない、入り込ませない

そもそも一番のゴキブリ対策は、ゴキブリが家に入ってくる機会を作らないこと。数ミリの隙間があれば侵入できるため完全には難しいですが、古くなった窓や壁の隙間はなるべく修繕を。排水口や換気扇、エアコンの通風孔にはフィルターや防虫ネットをかけるのがおすすめです。また、ダンボール箱には小さなゴキブリや卵が隠れていることも。溜め込みすぎず、こまめに回収に出しましょう。

(2)エサになるものを放置しない

エサのなるものを外に出しっぱなしにしないことも大切です。とはいえ、ゴキブリはなんでも食べる生き物。人間の食料はもちろんのこと、生ゴミや床に落ちた髪の毛、ホコリ、水回りの汚れなどもゴキブリのエサです。日々の掃除で家の中を清潔に保ちましょう。

(3)水気はこまめに拭き取る・乾かす

前述のようにゴキブリは湿った場所が大好き。そのため、トイレや洗面所、台所やお風呂場などの水気を拭き取っておくことも対策になります。時々換気をして、乾燥した空気を取り込むのもポイントです。

まとめ

繁殖力の高いゴキブリは、一度群れで住み着いてしまうとなかなか駆逐できません。一番良い対策方法は、日頃からゴキブリが好む環境を作らないことです。

「侵入させない」、「エサになるものをおかない」、「水気を残さない」、「発見したらすぐに対処する」の原則を守って、清潔な家を守りましょう。