掃除機本体のサイズは直径353×高さ939mm、重さは3.57kg。円形のロボット掃除機としては標準的なサイズです。写真はDEEBOT T9を手にしたマイナビニュース・デジタルの林編集長
エコバックスのDEEBOTシリーズは、以前から高いセンサー精度を持っていました。多くの家庭ではロボット掃除機を外出時に稼動させますが、「帰宅したらコードに絡まって止まっていた」といったアクシデントもよく聞きます。
DEEBOTの既存ハイエンドモデル「DEEBOT T8」は、床に落ちているモノや家具などを立体的に検出する「3D物体回避(True Detect)」テクノロジーを搭載。障害物の高さや奥行きを立体的に把握することで、トラブルの元となりやすいコードや小物などを回避します。家具に勢いよくぶつかって傷つけることもありません。
新モデルとなるT9は、この3D物体回避(True Detect)テクノロジーが2.0にバージョンアップ。赤外線センサー式のDEEBOT OZMO 950と比較して、障害物認識の精度が約10倍に向上しました。さらに、障害物の大きさにあわせて、最適な挙動を選べるようになっています。たとえば、ケーブル類なら約5cmに近づいたら回避、縦横5cm以内の小さな障害物を見つけたら約6cmまで近づいて回避、それ以上の大きな障害物は約3cmの範囲で回避します。
ロボット掃除機が部屋の間取りを地図として作成するマッピング機能も、もちろん搭載しています。T9は「TrueMapping2.0マッピング&ナビゲーション」を備え、正確に間取りを把握。部屋の形状や障害物にあわせて最適な掃除をします。アプリのマップから、進入禁止エリアを設定したり、部屋ごとに掃除設定を変更したりも可能です。
ちょっと面白いのが、新モデルから追加された「3Dマップ」の存在。部屋の地図を3Dで表示する機能です。清掃性能に関わるものではないのですが、ゲーム画面を観るように、アプリ上でロボット掃除機が動く様子を楽しめます。
ロボット掃除機ということで、気になるのは掃除性能。ゴミを吸引する能力は、同社のDEEBOT SLIM2の6倍にパワーアップしているといいます。
また、エコバックスのハイエンドロボット掃除機は、なんといっても「吸引掃除とともに水拭きできる」のが特徴。もちろんT9でも水拭き掃除が可能です。
水拭きテクノロジーは従来の「OZMO Pro」から「OZMO Pro 2.0」に進化しました。付属の水タンク付きモップアタッチメントを装着すると、タンクの水を自動的にモップに供給しながらロボット掃除機が自走。モップを濡らすレベルは4段階から設定します。家庭によっては「フローリングの一部にラグを敷いている」配置もありますが、OZMO Pro 2.0利用時はカーペットなどの床材を回避させることもできます。
OZMO Proはモップを振動させることで、床を強力に水拭き。この振動方法も、S字型に動く「クイックゴシゴシ」と、モップを前後に振動させる「念入りゴシゴシ」の2通りから選べます。2.0では、この振動が毎分約480回と高速になり、従来製品より清掃能力がアップしたそうです。
水拭き用アタッチメントを装着する位置には、エアーフレッシュナーアタッチメントをセットすることも可能です。このアタッチメントにはカプセルタイプの香りカートリッジをセットして、吸引掃除中に部屋のニオイを除去しつつ、同時にファンで部屋中に香りを届けます。香りカプセルは3種類あり、いずれも3個セットで1,650円。香りの有効日数は使用開始から約60日とのこと。T9には標準でワイルドブルーベルの香りが1個付属します。
ちなみに、エアーフレッシュナーアタッチメント装着時は床材のセンシングも機能します。フローリングでは標準パワーで掃除し、カーペットでは自動的にパワーを強力に切り替えられます。
自動ゴミ収集機能搭載の充電スタンド「Auto-Empty」は、従来モデルのT8シリーズでも選択できました。ロボット掃除機本体が帰還すると、ロボット掃除機が吸い取ったゴミを自動的に充電スタンドのパックへと移します。
でも、T8はロボット掃除機本体は白色なのに、ゴミ収集機能付き充電スタンドは濃いグレーとちぐはぐな印象でした(既存モデルのDEEBOT N8 PRO+は両方ともホワイト)。新モデルのT9は本体も充電台もホワイトで統一されており、充電中も悪目立ちしません。
高性能な衝突回避機能で留守中も安心して掃除が任せられること、部屋ごとにさまざまな設定ができる高性能なスマートフォンアプリ、吸引掃除と水拭き掃除を同時にこなすこと、そしてゴミ自動収集機能付き充電スタンドが選べること……、T9シリーズは最新ロボット掃除機の技術をこれでもか! と詰め込んだような製品です。また「ロボット掃除機も床拭きロボットも欲しい」というユーザーにとって、2台のロボットを購入するより価格的にも省スペース面でも大きなメリットがある製品ではないでしょうか。