ペットを飼っている家庭では、抜け毛の多さが悩みという方も多いことでしょう。しかし部屋中を自動的に掃除してくれるロボット掃除機が欲しいと思っても、導入をためらってしまうのがペットの「粗相」ではないでしょうか。ペットが粗相してしまったうんちの上をロボット掃除機が走行してしまったら、どのような惨事が起こるのか、想像したくもありません。
もちろん、ペットトイレにちゃんとする家庭であれば問題ないのですが、ついついおしりについてしまったうんちが、ポトリと床に落ちてしまったら大変……。
そんなペットを飼っている家庭でも安心して導入できそうなロボット掃除機が登場しました。それがアイロボットが2022年2月10日発売の「ルンバ j7」シリーズです。
ルンバ j7(Amazon) ルンバ j7+(Amazon)
■最新&最上位ルンバは“プープ(うんち)テック”を搭載!
ルンバ j7シリーズの最大の特徴は、シリーズで初めて本体前面に搭載したカメラによって前方にある物を認識し、障害物があれば回避する「PrecisionVision(プレシジョンビジョン)ナビゲーション」を搭載した点にあります。
現時点で回避する障害物はペットのうんち(犬または猫の固形のフンのみ対応で、毛玉や吐しゃ物、液体は対象外)に加えて、ケーブル類(ヘッドホンのコード、電源ケーブル)、靴(スリッパ)、靴下、充電ステーション(ルンバ j7シリーズ、ブラーバ ジェット m6)とのこと。これを実現するために、犬と猫のありとあらゆるうんちを機械学習し、認識できるようにしたとのことです。人の排泄物を画像解析してその人の健康状態の判断に役立てる技術を開発しているトイレメーカーもありますが、こうしたものも併せて“プープ(うんち)テック”と言ってもよさそうです。
実際にうんちやケーブル、靴下などを避けながら進んでいく様子を動画で見てみましょう。
障害物を認識すると、ルンバの上部にあるボタンの周囲のLEDが青く光ります。ケーブルや靴下は比較的近くまで寄るのですが、うんちのおもちゃにはあまり近付かないような仕様になっているそうです。動画では若干目測を誤って、サイドブラシが靴下に触れてしまったものの、ほぼしっかりと障害物を回避しながら進むことが分かりました。
もう1つの動画では、障害物の間にコーヒー粉をまいてテストをしてみました。
うんちを検知するとかなり手前から入らないようにしてしまうためか、コーヒー粉が少し残ってしまいましたが、無理に掃除を進めてうんちを踏んでしまうよりは安心です。
■認識・回避した障害物はスマホアプリ上でレビューして“教育”しよう
ちなみに清掃中に障害物を検知すると、清掃終了後にスマートフォン向け「iRobot Home」アプリ(Android/iOS対応、無料)上にその画像が表示され、これらの障害物を「今後も回避すべきもの」か、「一時的に回避すべきもの」かをフィードバックし、より回避率が向上するという仕組みになっています。
そのやり方は次のような感じです。
最初に「マッピングラン」を実施してマップを作り、部屋などのエリアごとに名前を付けて保存したり、「進入禁止エリア」や「部分清掃エリア」を設定したりします。
それから清掃をスタートします。
清掃が終了すると、マップ上にルンバが清掃したエリアや、ゴミを検知した場所が表示されるのは従来モデルの「ルンバ i7」シリーズなどと同様ですが、それに加えて障害物を検知した場所が吹き出しのように表示されます。
さらに「清掃が完了し、ダスト容器が空になりました!」という表示をタップすると、検知した障害物の写真とともに「レビューを開始」というアイコンが表示されます。
「レビューを開始」をタップすると、それぞれの写真で「一時的な障害物がここにあります」「進入禁止エリアを追加」「ここに障害物はありません」「不明です」を選択できるようになっています。ここで「一時的な障害物がここにあります」を選ぶと、うんちをはじめとする一時的な障害物があったことをクラウドにフィードバックできるというわけです。
世界中のユーザーからのフィードバックが収集されることによってデータベースが更新され、ロボット自身が学習、進化を続けるというのが今回のj7シリーズの大きなポイントです。ルンバシリーズは現在世界60か国以上で販売されており、先日は初代モデルから4000万台以上の累計販売台数(床拭きロボットのブラーバシリーズも含む)を達成したというプレスリリースも出されました。もちろん、フィードバックを受け付けるのは現状ではj7シリーズのユーザーだけではありますが、これだけのユーザーを持つルンバだからこそ、今後のユーザーからのフィードバックによる進化も期待されるところです。
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■高さが抑えられて圧迫感がなくなっただけでなく、落ち着いたデザインも魅力
最も注目な“うんちテック”を最初に紹介しましたが、デザイン面の進化も見逃せません。
ルンバシリーズではルンバi7+から、本体内のダスト容器に入ったゴミを吸引して紙パックに排出する「クリーンベース」を付属していますが(その後に発売されたルンバ i3+にも付属)、高さが約49cm(幅31cm×奥行き40cm)もあり、部屋に置くと存在感というか圧迫感がありました。
ルンバ j7+の場合、幅31cm、奥行き39cmと設置面積はほぼ同等ですが、高さが34cmと、15cmも低くなったことで、圧迫感がかなり減った印象を受けました。高さが低くなった代わりにクリーンベースの横幅は広くなったのですが、元々ルンバ自体の幅の方が広かったため、大きくなった印象は特に感じません。逆にクリーンベースのフタの中に紙パックの予備を収納できるようになっているので、利便性だけが向上した印象を受けました。
デザイン面でも、従来の比較的つやのある表面加工からマット加工になっており、クリーンベースのフタにあしらわれたオレンジ色のレザーのプルタブや、クリーンベース表面の波形加工も含めて、落ち着いた感じに仕上がっています。
■万が一の場合でも大丈夫な「ペットオーナーあんしん保証」も実施!
今回の最新モデルは、これまで培ってきたロボット技術にAIによる障害物認識・回避機能を組み合わせたアイロボットの自信作となっているとのこと。それを裏付けるのが、今回発表した「ペットオーナーあんしん保証」制度です。
これは清掃中にペットの排泄物がルンバ j7シリーズに付着してしまった場合、メーカー保証期間内で1回に限り、無償で修理・交換などのサポートをしてくれるというものです。
※iRobot Homeアプリに接続した後にルンバ j7シリーズを使用していることが条件で、排泄物は犬または猫の固形の糞のみ(毛玉や吐しゃ物、液体は対象外)です。詳しくはルンバ/ブラーバ保証規定を確認してください。
ペットの粗相というと、もちろんうんちだけでなくおしっこもあります。今回の保証制度ではおしっこまでは対応していませんが、うんちだけでも対応してくれるのはペットオーナーとしてかなり安心なサービスではないかと思います。
ペットオーナーではなくても、靴下やコードなどが床に落ちていても避けながら掃除してくれるので、少しぐらい散らかっていても大丈夫というのは安心感があります。特にコード類のある場所は、ルンバがからまって身動きが取れなくなってしまうことが少なくないので、進入禁止エリアを設定しなくても避けてくれるのは便利に感じました。
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