年の瀬は大掃除のシーズンだ。今年は帰省を控え、例年以上に自宅をきれいにしようと考えている人も多いことだろう。
そこで今回、大洗濯に向けた「カーテン」「羽毛布団・こたつ布団」「カーペット・ラグ」の洗い方について紹介していく。
カーテンはシーツなどと違って汚れが目立ちづらいため、数年洗っていないという人もいるかもしれない。
しかしカーテンは、部屋のホコリなどで驚くくらい汚れており、在宅時間が⾧かった今年はなおさらだ。せっかく部屋を掃除してもカーテンが汚れたままだと、お部屋全体も暗くなってしまう。 クリーニングに出さなくても家で洗えるものがあるので、この機会にぜひチャレンジしよう。
カーテンを洗濯する前後で部屋の印象が変わるかを評価するため、10年間洗濯をしていないカーテン(右)と、洗濯後のカーテン(左)をガラス窓の前に下げて、部屋の印象を比べてみた。
洗濯後のカーテン(左)10年間洗濯していないカーテン(右)
上の写真のように、10年間洗濯をしていないレースカーテンは、窓からの光を取り込みにくく、部屋の照度(光の明るさ)が落ち、部屋自体が暗くなってしまう。一方、洗濯をしたカーテンには窓からの光が明るく差し込んで、明るくさわやかな印象になる。
また、一見、キレイなカーテンを実際に洗濯してみると、水がこんなに汚れていることも……。新しい年を気持ち良く迎えるために、カーテンの汚れをすっきりキレイに落としてみてはいかがだろうか?
1) まずは家で洗えるかをチェックカーテンの洗濯表示を見て確認しよう。(下の洗濯表示がついている場合は、家庭で洗える)
2)洗剤を選ぶカーテンなどの大きく厚手な洗濯物を洗う場合、布の奥まで洗浄成分がしみ込みやすい液体洗剤の使用がおすすめ。さらに、デリケートな素材や色柄を守りたいカーテンの場合は、おしゃれ着用洗剤のアクロンを使用しよう。
3)洗濯機の「取扱い説明書」をチェックカーテンを洗う時のコースを確認し、洗濯ネットや洗濯キャップが必要な場合は準備する。
1)カーテンから金具を外し、ホコリをはたき落としておこう。
2)気になる汚れには「前処理」をカーテンの上部のギャザーや裾の部分が、ホコリなどで汚れていたら、気になる部分に洗剤の原液をつけて、キャップの底でたたいてしみ込ませておく。
3)ジャバラ状にたたむ汚れ具合をチェックし、汚れが気になる部分を表にして「ジャバラ状」(屏風だたみ)にたたむ。
4) 「洗濯ネット」にカーテンを入れる洗濯表示に「洗濯ネット使用」と書いてある場合やレースのカーテン、デリケートな素材のカーテンは、洗濯ネットに入れて洗う。
5)洗濯機に入れる洗濯機に入れる向きも、上手に洗うポイントのひとつ。洗濯機はかくはん羽根付近が最も機械力が強く、汚れが落ちやすいので、縦型洗濯機の場合汚れている面を洗濯機の底側に向けていれて洗おう。
6)コースを選択するカーテンの洗濯表示を確認し、洗濯機の取扱説明書に従ってカーテン洗いに最適なコースを選び、スタートボタンを押す。
カーテンの汚れがひどい時は、「液体酸素系漂白剤」を適量入れて洗う。洗濯中、洗濯液が真っ黒になるようであれば、「二度洗い」がおすすめだ。
7)柔軟剤で仕上げる「柔軟剤」には静電気防止効果があるので花粉やホコリ等がつきにくくなる。また、洗濯じわを防ぐ効果もあるので、よりキレイな仕上がりになる。好きな香りの柔軟剤を使ってお部屋の中をほのかに香らせてみるのも楽しい。
1)縫い目を伸ばす洗濯じわや型くずれを防ぐため、脱水後はすぐに取り出して、手で縫い目を伸ばす。
2)カーテンレールに干す薄手のカーテンは、カーテンレールに干すと、カーテン自体の重さで全体のしわが伸びて、キレイに仕上がるだけでなく、干す場所もとらない。
ただし、重い厚手のカーテンは、カーテンレールに負担がかかるので、洗濯竿に干すことをおすすめする。また、干す前に窓ガラスも掃除して、汚れがつかないように注意しよう。
家庭では洗えないイメージがある羽毛布団やこたつ布団だが、洗濯表示によってはクリーニングに出さなくても家で洗濯できる。
1)「洗濯表示」をしっかりチェック羽毛布団やこたつ布団についている洗濯表示を見て確認しよう(下の洗濯表示がついている場合は、家庭で洗える)。また、カバーについているタグや、「洗濯表示」の裏面にも洗濯について注意書きが載っていることがある。こちらも忘れずチェックしてみてほしい。
2)洗濯機の取り扱い説明書もチェックお使いの洗濯機の取り扱い説明書の「毛布コース」や「大物洗いコース」のページを見て、羽毛布団やこたつ布団が洗える洗濯機か確認しよう。また、洗濯時のかたよりや布傷みを防ぐために、「お洗濯キャップ」または「洗濯ネット」を必要とする場合が多いので、前もって準備する。
※羽毛布団やこたつ布団は乾きにくいので、湿度の低い晴れた日を狙って洗濯しよう。
1)布団についたホコリなどの汚れを取り除くまずは布団を物干し竿やベランダの手すりにかけて、布団たたきで軽くたたき、ホコリなどの汚れを落としておく。
2)目立つ汚れがある場合は前処理をすると効果的特に目立つ汚れがある時には、洗濯機に入れる前に前処理をしておこう。
やわらかいスポンジに、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を薄めた洗剤液(水4Lに対して10mlが目安)を含ませて、首周りなど汗や皮脂汚れが目立つ部分になじませる。生地を傷めてしまうので、スポンジのかたい面でこすらないように注意しよう。
1)汚れている部分が外側になるようにジグザグに3つに折り畳んだら、端からロール状に丸める。
2)洗濯機の取り扱い説明書に従い、お洗濯キャップをつける、または、洗濯ネットに入れて布団を洗濯槽にセットする。
3) 「毛布コース」や「大物洗いコース」を選び、スタートボタンを押す。洗濯機の表示に従って、おしゃれ着用洗剤を洗剤投入口にセットし、フタを閉める。
さらに、羽毛のニオイが気になる時には、消臭効果のある柔軟剤を使用すると、洗いあがりの羽毛の独特のニオイが弱まる。
4)水に浮きやすく浸らないことがあるので、水が溜まったら洗濯機を一時停止し、両手で5~6回程度しっかり押し沈めてから洗濯を開始する。
ふんわり仕上げるため干し方もポイント。羽毛の偏りやこたつ布団がぺしゃんこになるのを防いで、ふわふわの布団に仕上げよう。
1)脱水後はできるだけ速やかに、物干し竿2本をまたぐように干す物干し竿2本をまたぐように干すと早く乾かすことができる。この時、日光に直接当てると布団の生地が日焼けしたり、羽毛が傷んでしまう恐れがあるので、風通しのいい場所で陰干ししよう。
2)乾燥するまで羽毛を数回軽くほぐす物干し竿にかけたら、全体の形を整えよう。かたよった羽毛を両手でほぐしたり、布団の端を持ち振る。乾燥するまでに数回羽毛をほぐしてあげるとよりふっくら仕上がる。
左・お洗濯直後(羽毛のかたまりがある) / 右・乾燥後はふっくら
3)布団を取り込む取り込む際、完全に乾いていなかったら、室内の椅子に布団をかけたり、布団乾燥機を使って乾かすようにしよう。
カーペットやラグマットは、家族がくつろぐ場所に敷くことが多く、飲み物や食べ物の食べこぼしの汚れが付きもの。加えて今年はおうち時間も長く、また夏の暑い日に付いた汗の汚れが気になっている方も多いのではないだろうか?
今回は、大物のカーペットを、お風呂の浴槽で「足踏み」洗いする洗濯方法を紹介する。
洗濯表示に「洗濯おけ」や「手洗い」、「洗濯機」の記号がついている場合には、家庭で洗濯することができる。洗濯表示に「洗濯おけに×」がついている場合は、家庭で洗濯することはできない。クリーニング店に出す。
色物・柄物のカーペットの場合は、洗剤の原液を白い布につけて、カーペットの目立たない所をたたいた時に、布に色が移るかを見る。色が落ちたら、クリーニング店に出す。
また、毛足の長いものは、毛倒れや毛の絡まりが起こる可能性があるので、クリーニング店に出したほうが良いだろう。
<ホコリや髪の毛を取る>掃除機や粘着ローラーで、表面のホコリや髪の毛を取り除く。
<汚れが気になる部分は前処理を>シミ汚れがある場合には、おしゃれ着用洗剤(アクロン)の原液をつけ、キャップの底で軽くたたいて前処理を行う。
汚れた部分を外側にし、浴槽の大きさに合わせて、四つ折りにし、さらに半分に折り、浴槽に入る大きさに折りたたむ。
カーペットがつかる程度の水を浴槽に入れたあと、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を使用量の目安を参考に入れ、端から「足踏み」するように洗う。
例えば、浴槽300Lの場合、1/10程度の水量(30L)であれば、おしゃれ着用洗剤(アクロン)を40ml入れる。
足踏み洗いが終わったら、浴槽の栓を抜き、洗剤液を浴槽から流し、シャワーの水を上から当てて足踏みしながら、カーペットに残っている洗剤液を洗い流す。そのあと、カーペットがつかる程度に水をためて、足踏みをしてためすすぎを行う。すすぎの水を浴槽から抜いたら、もう一度シャワーを当てて洗い流し、ためすすぎをする。
すすぎ終わったら、足踏みをして水をよく切って、浴槽のフチ(エプロン部)にかける。そして、30分~1時間、そのままにして脱水する。
水が切れて軽くなってから、物干し竿に干す。カーペットによっては、重たくてかけにくい場合があるので、ご家族や身近な方に手伝ってもらうと良いだろう。2本の竿にかけるようにして干すと、空気が通りやすく、乾きが早くなる。
直射日光に当たると生地が日焼けしたり、色あせるものもある。洗濯表示で干し方を確認し、陰干しマークのあるものは、日陰に干そう。
カーペットの中には、「洗濯機で丸洗いOK」というものもあるが、洗濯機によっては故障の原因になるためカーペット・ラグは洗えないとしているものがあったり、大きすぎるものやすべり止めがついているもの等は洗えない場合がある。
洗濯機で洗いたい場合には、事前に洗濯機の取扱説明書を確する。下記の場合には、洗えないことが多いので注意が必要だ。
●洗濯機の容量に対して、カーペット・ラグのサイズが大きいもの●裏面にすべり止めなどのゴムがついているもの●ウレタン(スポンジ類)が入っているもの●厚手のもの●毛足の長いもの
また、カーペットが洗える洗濯機でも、ドライコースなどの「弱水流コース」を推奨するものや、「毛布コース」を推奨するものなど様々。洗濯機の取扱説明書を確認しよう。
出典元:ライオン株式会社
構成/こじへい