アーニーはもっともっともっと格好いい。
とあるロシアのロボット会社がアーノルド・シュワルツェネッガー(以下アーニー)から訴えられています。理由は、勝手にアーニーの顔を使ったから(しかも、ファンから言わせてもらえばアーニーの特徴は掴んでいるものの、魅力の2割も伝え切れていない粗悪な作り)。
というわけで、ハリウッドの優秀な弁護士が「世界で最も有名で成功した人物の写真を無断で使用するなんて、最低でも3000万ドル(約32億円)払うべきでしょ!」と追い詰めているそうです。
問題の会社はPromobot。実は、この会社は以前性能の悪い新型コロナウイルス検査ロボットを作ったところ。今回、咎められているのはそのコロナロボではなく、Consumer Electronics Show(CES)に持ち込んだ『ターミネーター』(1985年)期のアーニーの頭部をくっつけたお助けロボのRobo-Cです。Promobot曰く、「(アーニーロボットは)ゲストを迎え、電気をつけ、ケトルをオンにする」ようになるのだとか(腕がないので、ロボットが動いて何かしてくれるわけではありません)。
ちなみにPromobotいわく「Robo-C」のお値段は2万5000ドル(約266万円、高!)。今回はアーニーに似せていますが、アーニーに限らず、どんな顔でも作ることができるそうです。マリリン・モンローがおすすめらしい。
このロボットの存在を知ってアーニーはおもしろくありません。そこで、ハリウッドの著名な弁護士であるマーティン・シンガー氏を雇い、Promobotを相手取って1000万ドル(約10億6000万円)以上の損害賠償を求める訴訟を起こしました。Promobot、自業自得だけど大ピンチです。訴状によると、アーニーは2019年にサンクトペテルブルクで「Robo-C」の隣に立ってポーズをとるように求められたときに初めて自分の顔が無断で使われていることを知ったそうです。結構怒っているらしく、写真撮影も拒否しています。
書簡には、シンガー氏がPromobotに対して、Robo-CをCESに持ち込むのを中止するように求めただけでなく、アーニーの顔をRobo-Cに乗せる承認を得るために最低でも3000万ドルを支払う必要があったとも書いてあったそうです。
また、シンガー氏は、プリシラ・プレスリーの名前が製作すらされなかった映画に無断使用されたことで250万ドル(約2億6600万円)以上勝ち取ったことを例に挙げ、「その判決は、シュワルツェネッガー氏より知名度が低く、商業的価値もはるかに低い原告に対するものだ。世界で最も成功した著名な映画スターの写真を、彼の認識や許可なしに利用した場合、裁判で裁定される損害は指数関数的に膨れ上がるだろう」とも伝えています(プリシラ・プレスリー、なんというとばっちり…!)。
訴状によると、Promobotはロボットの使用中止に対して合意をしていたにも関わらず、New York Toy Fairに持ち込んだそうです。Promobotは「アーニーに限らずどんな顔でも作れる」と主張していたはずなんですけどね。Digital Trendには、New York Toy Fairに持ち込まれた『ジュニア』(1994年)時代の繊細フレームメガネみたいなのをかけられて不安げに眉を下げるアーニー(らしき物体X)がバッチリと紹介されています。使用中止に合意したのなら、なぜ安っぽい変装(?)でごまかすのではなく、架空の誰かの顔にしなかったのでしょうか。
諸々疑問はありますが、現時点でPromobotは問い合せに応じていないようです。それにしてもアーニーの顔(らしき物体X)のクオリティ低いなぁ…。悔しい!