【今週の住活トピック】「スマート家電の利用実態調査」結果を報告/LIVING TECH協会
「スマート家電」とは、インターネットを通じて遠隔操作ができる家電製品のこと。スマートフォンやタブレット端末と連携することで、簡単に操作できるようになる。
スマート家電の中には、AI(人工知能)が搭載されたものもある。AmazonやGoogleの「スマートスピーカー」は音声を認識し、好みの音楽を流したり、天気やニュースを教えてくれたりする。また、自走で掃除をする「お掃除ロボット」でAI搭載のものなら、間取りや家具の配置を認識し、掃除のレベルを設定するといったこともできる。
では、どんなスマート家電を持っている人が多いのだろう?調査結果を見ていこう。
出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果をより転載)
ダントツは「スマートスピーカー」(46.9%)だ。なんと、半数近くの人が所有している。なにをかくそう、機械音痴の筆者でも、スマートスピーカーを家に置いて、明日の天気や現在の気温を聞いたり、3分間測ってもらったりしている。そして時々「よく分かりませんでした」と言われて、悲しい気持ちになったりもしている。
2番目は、「お掃除ロボット」(35.2%)。スイッチを押せば勝手に掃除をしてくれるので、使っている家庭も多いのだろう。以降は、僅差になるが3番目が「スマートライト」(24.6%)、4番目が「スマート家電コントローラー」(20.4%)、5番目が「ネットにつながるエアコン」(19.2%)だった。
実は、家族構成によって、少し順位が変わってくる。それぞれのTOP3は以下の通りだ。
■単身者(1)スマートスピーカー:52.8%(2)お掃除ロボット:32.1%(3)スマート家電コントローラー:26.4%■子育てファミリー(1)スマートスピーカー:49.6%(2)お掃除ロボット:40.5%(3)スマートライト:29.5%■親と同居(1)スマートスピーカー:50.3%(2)スマートライト: 39.5%(3)お掃除ロボット:26.8%
「スマートライト」は、インターネットに対応した照明器具。スマートスピーカーを通して、音声で照明をつけたり、外出先でスマホから遠隔操作をして照明を消したりもできる。また、「スマート家電コントローラー」は、通常は家電ごとにそれぞれリモコンがあるが、それらをまとめてコントロールするもの。
スマート家電を組み合わせることで、スマートスピーカーを通して音声で家電を操作したり、スマホから遠隔操作したりできるようになる。筆者はそこまで使いこなしていないが、いまはネットにつながるエアコンや冷蔵庫、電子レンジなどもあるので、帰宅前にエアコンを入れたり、買い物中に冷蔵庫内の食材を確認できたりできる、らしい。
では、スマート家電を導入して、どんな効果を感じているのだろう?
こちらは、「音声操作」(32.3%)、「家事負担軽減」(31.5%)、「遠隔操作」(30.9%)が三大メリットとして挙がった。
出典:LIVING TECH協会「スマート家電の利用実態調査」結果を報告より転載
ただし、効果の感じ方も家族構成によって違いが見られた。■単身者(1)音声操作:42.5%(2)遠隔操作:29.9%(3)非接触やハンズフリー:28.8%■子育てファミリー(1)遠隔操作:37.3%(2)音声操作:34.5%(3)家事負担の軽減:34.1%■親と同居(1)家事負担の軽減:34.4%(2)音声操作: 33.1%(3)遠隔操作:29.3%
単身者は、音声操作に大きな効果を感じているが、子育てファミリーになると、遠隔操作でエアコンや照明などのオンオフができることに効果を感じている。この理由は定かではないが、単身者は、誰かに何かの操作を頼む代わりに音声操作をしたり、スマートスピーカーが会話相手になったりということもあるのだろう。また、子育てファミリーは、家族の生活向上のために、外出先から操作をすることも多いと思われる。
また、家事負担の軽減は、主にお掃除ロボットによるところが大きいのではないか。外出中、または自宅で他の家事や仕事をしている間に掃除をしてくれるので、家事効率を実感できるということだろう。
実は、SUUMOジャーナル編集部の筆者の担当編集者(子育てファミリーに該当)も、スマート家電を使いこなしているという。
まず、スマートスピーカーを各部屋に設置し、それぞれ定時に音声アナウンスが流れるようにしているという。例えば、朝には今日は何のゴミの日かアナウンスしたり、子どもの保育園に持っていくものを列挙したり、出かける時間に火元確認を呼びかけたりするように設定している。
また、スマートスピーカーに子どもの歯磨きや寝る時間を呼びかけさせたり、絵本の読み聞かせサービスを利用したりして、子育ての負担軽減にも活用しているのだ。
もちろん、家電を連携させて、音声でエアコンやテレビの操作をしたり、寝室の照明を定時にオンオフしたりと、大活躍させている。仕事と子育て、家事に忙しい日々なので、「リマインド機能」などでヒューマンエラーを防止できること、音声や遠隔で操作ができて時間の節約になることなどを、大きなメリットに感じているという。
このように、家庭の状況に応じてスマート家電を使いこなせれば、日常の生活が便利になるだけでなく、ストレスの軽減にもなる。いまは、スマート家電の種類も多いので、暮らしのどの部分を効率化したいかによって、上手に組み合わせていくのが良いだろう。
一方で、調査結果では「複数家電の一括操作」をしている割合は17%とまだ多くはないのが実態だ。スマート家電を選ぶのが難しかったり、一般的なものより価格が高かったり、それぞれを連携させるための設定をする必要があったり、セキュリティの課題が指摘されたりと、普及するにはまだハードルもある。
とはいえ、これからの生活には欠かせないものになるだろうから、筆者ももっといろいろ試してみたいと思う。