この状況を打破した初めての商用ロボット(※1)が、米Boston Dynamics(ボストンダイナミクス)の「Spot」です。4脚をもち、犬のように歩くことで、建設資材が散乱する工事現場、階段、山道、砂場など、人が歩ける場所ならほぼどこへでも行けます。さらに、14kgまでの荷物を運搬することが可能です。
ボストンダイナミクスが4脚歩行ロボットを商用品として実現できることを示したことで、ロボット利活用の空白地帯ともいうべきこの領域が一気に熱を帯びつつあります。既に、中国Unitree Roboticsが4脚歩行ロボを市場投入しており、スマートフォン大手の中国Xiaomiも開発者向けに4脚歩行ロボの提供を開始しています。今後、参入が相次ぐ可能性は高いといえるでしょう。
複雑な、この4脚歩行をいったいどのような機構で実現しているのか。どのようなセンサー、モーター、減速機が必要なのか。軽量化や剛性はどのように確保しているのか。Spotで改善すべき点はどこにあるのか。分解から、こうした疑問を明らかにしたのが本書です。Spotの流通量は少なく、まだ分解された書籍もないことから、世界に類を見ない(※1)、貴重な一冊です。
※1)日経クロステック調べ(2021年8月31日時点)