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10年間に1361件、191人が死亡…「暖房器具による火災事故」で最も多い要因は?

(左から)青木源太、田中秀明さん、足立梨花

10年間に1361件、191人が死亡…「暖房器具による火災事故」で最も多い要因は?

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。1月9日(日)の放送では、経済産業省 製品安全課長の田中秀明(たなか・ひであき)さんに、「冬の製品事故」をテーマに話を伺いました。

◆寒い冬に重宝する暖房器具、火災事故に要注意

冬に最も多い製品事故は“暖房器具による火災事故”で、2011~2020年度の10年間に1361件発生しており、それが原因で191人の方が亡くなっています。また、暖房器具による火災事故のうち、最も多い要因は「衣類やカーテン、布団などの可燃物(に暖房器具)が接触することによるもの」と田中さん。事例として、ストーブの上で衣類を干していたら、乾燥して軽くなった衣類が落下し、ストーブの高温部に接触して火災になるケースや、ロボット掃除機が電気ストーブを押して可燃物に触れたために火災になったケースなどがあります。また、ストーブをつけたままで就寝すると、寝返りを打った際に布団が接触して着火する恐れもあり、「寝ているときは発見が遅れやすく、大きな火災につながる可能性があるので、就寝時は絶対に使用しないでください」と注意喚起します。可燃物の接触による火災事故で最も多いのは電気ストーブによるもので、過去10年間で97件発生しています。電気ストーブは火を使わないため、石油ストーブよりも安全に思いがちですが、可燃物が接触すると異常に熱せられて着火に至る恐れがあり、どんな暖房器具でも危険に変わりはありません。ちなみに、可燃物の接触による事故を年代別で見ると“70歳以上”で最も多く発生しており、「暖房器具はご高齢の方の使用頻度が高いうえに、危険な状況に気付くのも、対応するのも遅くなりがちになるからだと思います」と推測。そして、暖房器具による火災事故は、火が周りに広がって被害が拡大し、最悪の場合、命を落とす可能性もあるため「ご高齢の方はもちろん、家族や周りにいる方も日ごろから気をつけていただきたい」とお願いをします。また、田中さんが「みなさんに知っておいてほしい」と強調したのは、新型コロナウイルス感染症予防のために使う機会が増えた“消毒用アルコール”について。「アルコールは揮発性が高く引火する恐れがあるので、石油ストーブなどの火を伴う暖房器具の近くで使用したり、消毒直後に手や指を暖房器具に近づけたりしないように注意してほしい」と話します。

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