10 05
バルミューダが家電の一部商品を値上げ、原価高騰を受けて

昨年11月にオープンした旗艦店「バルミューダ ザ・ストア 青山」 image by: FASHIONSNAP

 バルミューダが、今年4月から一部の家電製品の値上げに踏み切る。2月10日に行われた2021年12月期決算説明会で、寺尾玄代表取締役社長が今後の方針を示した。【画像】昨年11月に発売した5Gスマホ「BALMUDA Phone」

バルミューダが家電の一部商品を値上げ、原価高騰を受けて

バルミューダ初の値上げへ

 バルミューダにとって価格改定は今回が初。価格の上がり幅は1~20%を予定している。主力商品である「BALMUDA The Toaster」も対象に含まれる。会見で寺尾社長は対象商品に関する明言は避けたが、詳細については後日アナウンスする予定だという。また、原価高騰への対応として価格改定のほか、製造パートナーと共に原価低減・部材調達力の向上、製品開発プロセスの効率化などを図っていく。 原材料高や輸送費の高騰、為替の円安傾向などにより物価上昇が加速。小売業への影響が広がり続けている。アパレル業界においてもファーストリテイリングやしまむらなどの企業が値上げの方針を示している。

21年通期、売上高は過去最高更新

 同社の2021年12月期(2021年1月1日~12月31日)の連結業績は、売上高が183億7900万円(前期比46.0%増)と過去最高を更新した。営業利益は15億1800万円(同15.3%増)、経常利益は14億6200万円(同16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億1500万円(同21.7%増)。「BALMUDA The Toaster」「BALMUDA The Range」を中心に堅調に推移したほか、10月に発売した新製品のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」の売れ行きが好調だった。IT機器やアプリケーションなどを扱う新ブランド「BALMUDA Technologies」の第1弾商品「BALMUDA Phone」を中心とした携帯端末関連事業の売上高は、昨年5月に発表した業績予想の27億円を上回る28億4700万円(対業績予想5.6%増)に着地した。

好調バルミューダ、22年通期は営業利益47%減と予想する背景は?

 2月10日に発表した2022年12月期(2022年1月1日~12月31日)の連結業績予想は、売上高が184億1000万円(前期比0.2%増)、営業利益が8億円(同47.3%減)、経常利益が7億9000万円(同46.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億5000万円(同45.8%減)。製品カテゴリー別売上高では、携帯端末関連事業は10億8000万円(同61.9%減)としている。 決算会見に出席した寺尾社長は業績予想について「携帯端末関連においては、年内に収益化を織り込みたいプロトタイプが複数走っており、早期に実行に移していくために社内で進めている最中。しかしながら今日時点では予算化されていないため、対外発表数値に載せることはできないと判断した。現時点で発表できる数字はこのような形になっているが、当然ながら我々はこのままにするつもりは全く無い。この数字を良くしていこうという決意でやっていくが、今期の数値はここからスタートさせてください」と説明した。 「BALMUDA Technologies」カテゴリにおいては、BALMUDA Phoneの継続的な価値向上および、新商品投入を加速させていく計画。新商品に関する具体的な内容については発表を控えた。また、BALMUDA Phoneを販売するソフトバンクは、ソフトバンクショップ(直営店)での購入者を対象としたキャンペーンを2月11日から開始すると発表しており、契約時に特定の条件を満たすと端末を実質半額で購入できる。また、これに連動してバルミューダは2月11日から3月31日までの期間、同社の公式オンラインストアで使える20%OFFクーポンをプレゼントする「春の新生活応援キャンペーン」を実施。キャンペーン期間中にソフトバンクショップで「BALMUDA Phone」を購入し、専用ページから応募した人が対象となる。 このほか、同社は販管費として人件費15億6000万円(同21.4%増)を計上する見通しで、携帯端末関連の事業拡大に伴いエンジニア等の優秀な人材の積極採用を進めていくという。

最終更新:FASHIONSNAP.COM