ヘルスケアやワークアウトをサポートするウェアラブルデバイスとしても人気を集めるApple Watch
Apple Watchを初代機から使い続けている筆者ですが、このごろApple Watchユーザーが本当に増えたなぁと感じます。これから初めてのApple Watchの購入を考えている人や、新機種への買い替えを検討している人に、上手なApple Watchの選び方を紹介します。【画像】「Series 7」は、常時表示ディスプレイ対応が魅力。右側のスリープ解除状態と変わらないほど、表示が明るく見やすい新生活をサポートするApple Watch。贈り物にも最適筆者の友人や仕事仲間にも、この1~2年で初めてのApple Watchを購入した人がたくさんいます。購入を決めた理由を聞いてみると、コロナ禍になって体を動かさなくなったので、Apple Watchをアクティビティトラッキングやヘルスケアの目的に使いたいから…という答えが多いように思います。Apple Watchは腕時計として、あるいはiPhoneと連携するコミュニケーション端末としても便利です。春から新しい職場や学校で生活を始める家族や大切な人への贈り物にも最適です。もし、Apple Watchをプレゼントとして購入することを検討しているのであれば、贈る相手がiPhoneユーザーであることを必ず確認しましょう。Apple Watchの利用にはiPhoneが必要だからです。これまでずっとアナログ腕時計をしてきたので、そろそろスマートウォッチも体験してみたい…という人にも、Apple Watchは最適な選択肢です。もともと使い勝手が良く、楽しめるアプリなども豊富だからという理由もありますが、やはり本格派の腕時計ファンも納得するプレミアムなデザインと、さまざまなバンドを着せ替えて楽しめるファッション性の高さもおすすめしたくなるポイントです。余談ですが、筆者にはかつてエルメスに勤めていた友人がいます。彼はよく「新品なのに15万円で買える“エルメスの腕時計”なんて、Apple Watch Hermèsのほかにはないよ!」と話していました。2022年春:Apple Watchの現行ラインナップを整理してみる筆者が本稿を書いている2022年2月末現在、アップルが現行ラインナップとして販売しているApple Watchは以下のモデルです。【1】Apple Watch Series 7:ケースの素材・色の選択肢が豊富なフラッグシップApple Watch Series 7は、2021年に登場したフラッグシップです。高性能・低消費電力のデュアルコアS7 SiPを搭載したことや、ディスプレイを大型化しながら1日中持つバッテリー性能を継承したのが特徴。充電にかかる時間も大きく短縮しています。血中酸素ウェルネスの計測や、電気心拍センサーによる心電図アプリが使えるところも、フラッグシップならではの魅力です。価格はGPS+Cellularモデルが60,800円から、GPSモデルが48,800円から。ケースのサイズは45mm、または41mmの2種類。ケースの素材はアルミニウム/ステンレススチール/チタニウムの3種類から選べます。ケースの素材によってカラーバリエーションが異なりますが、アルミニウムのモデルにApple Watchとして初めて「グリーン」が加わったことが、Series 7の発売時に話題になりました。【2】Apple Watch Hermès:エルメスとコラボしたプレミアムスマートウォッチエルメスとのコラボモデルであるApple Watch Hermèsは、Series 7がベースになっています。価格は、組み合わせるバンドの種類によって大きく異なりますが、もっとも手ごろなモデルは141,800円から購入可能。エルメスシリーズにはGPSモデルがなく、すべてがGPS+Cellularモデルになります。ケースの素材はステンレス一択。カラーバリエーションはシルバーとスペースブラックから選べます。ちなみに、エルメスシリーズのパッケージには、単品では販売していない「Hermèsオレンジスポーツバンド」が同梱されています。【3】Apple Watch SE:機能に“不足なし”のスタンダードモデルApple Watch SEは、2020年に当時のフラグシップであるSeries 6と同時に登場したスタンダードモデルです。価格はGPS+Cellularモデルが38,800円から、GPSモデルが32,800円から。Series 7と2万円前後の価格差があることから、より気軽に試せるSEを初めてのApple Watchとして選ぶ人は、今もなお多いようです。ケースのサイズはSeries 7より少しだけ小ぶりな44mm、または40mmの2種類。SEはケースの素材がアルミニウムのみとなり、カラーバリエーションはスペースグレイ/シルバー/ゴールドの3種類です。【4】Apple Watch Nike:スタイリッシュなアスリートモデルスポーツブランドのナイキとコラボしたApple Watch Nikeは、Seires 7がベースのものと、SEがベースのものの2種類を販売しています。オリジナルの文字盤が使えたり、ランニングをサポートしてくれるNike Run Clubアプリもプリインされています。単品購入ができる2種類のバンド、NikeスポーツループとNikeスポーツバンドを組み合わせてもっともサマになるのは、やはりナイキシリーズのApple Watchです。ナイキシリーズは、ケースのカラーバリエーションの選択肢が通常モデルよりも限定されます。また、オンラインのApple StoreではGPS+Cellularモデルの取り扱いがありませんが、Nike公式のオンラインストアではSeries 7がベースのGPS+Cellularモデルが2022年2月末時点でまだ取り扱いがありました。ケースはサイズが45mm/41mmから選べますが、カラーバリエーションはミッドナイトが“在庫なし”のため、スターライトの一択でした。【5】Apple Watch Series 3:最も安価な現行モデルのApple Watch2017年に発売されたApple Watch Series 3は、現在もまだGPSモデルが22,800円から購入できます。ケースのサイズは42mm、または38mmの2種類。アルミニウム素材のシルバー、またはスペースグレイから選べます。Apple Watchの基本機能であるiPhone連携による通話着信やメールのチェック、ヘルスケア、ワークアウトなどのデータ管理が使えるので、「必要最低限のこと」から初めてのApple Watchを体験してみたい人には最も手頃なモデルといえます。離れて暮らす高齢な家族の“見守り”用途に安価なApple Watch Series 3を活用してみたくなりますが、残念ながら「ファミリー共有設定」が利用できるのはwatchOS 7以降を搭載する、CellularモデルのApple Watch Series 4以降/SE以降に限られます。本機は対象外となるので注意してください。また、最新のwatchOS 8に搭載されている機能や文字盤の一部に、Series 3では使えないものもあります。次のwatchOSのアップデートでは、さらにSeries 3で利用できる新機能が限定的になるか、またはSeries 3がOSアップデートの対象外になる可能性があります。それらの点を踏まえながら購入を検討したいところです。Series 7とSE、今買うならどっち?今新しいApple Watchを買うならば、少し奮発して「Series 7」を手に入れることをおすすめします。基幹ソフトウェアであるwatchOSは、アップデートにより新しい機能が追加されます。その当時の最新機種を買っておけば、これからより長くアップデートによるApple Watchの進化も追いかけることができます。長く使ってガッチリ元を取りましょう。筆者はSeries 7を使っていますが、SEよりもディスプレイの表示領域が約20%広く、またスリープ状態にならない常時表示ディスプレイに対応しているのに魅力を感じています。例えば、重い荷物を持ちながら、バスの手すりにつかまっている時など、手首を無理に返さなくても時刻やバッテリー残量などがチラ見できるので便利です。前面ガラスの耐亀裂性能が上がり、本体にIP6X等級の防塵性能が付いたSeries 7は、スマートな外観の「タフネスウォッチ」です。筆者は、Apple Watchにスクリーンフィルムや本体カバーのようなアクセサリーを使いたくないので、むき出しのままでもキズが付きにくいSeries 7が、ふだん使いも安心で気に入っています。もうひとつ、筆者がSeries 7だけの便利なポイントとして挙げたいのは、充電のスピードが速くなったことです。アップルでは、Series 6のモデルよりも最大33%の充電スピード向上をうたっています。ただし、高速充電機能を活用するためにはApple Watch Series 7のパッケージに同梱されている新しい磁気高速充電USB-Cケーブルと、20W以上のUSB-C電源アダプターを別途買い足す必要があります。これらの高速充電環境をそろえると、毎晩風呂に入って就寝前の身支度を調える30~40分の間に充電が完了します。スマートウォッチは充電が面倒そうだから…と敬遠している人も、iPhoneと一緒に充電する習慣を付けてしまえばすぐに慣れると思います。心電図や血中酸素ウェルネスなど、心拍のセンシングをベースにした「Series 7だけ」の機能もいくつかありますが、一般的な心拍数の計測や、不規則な心拍リズムの通知機能はApple Watch SEでも使えるので、自分が期待する用途なら「SEでも十分」なのかどうか、じっくりと吟味してください。バンドも着替えて楽しもう!購入後に余裕ができれば、バンドも買い足してみましょう。Apple純正品の交換バンドであれば、今後ケースの大きさや形に多少の変化があったとしても、今までに揃えてきたバンドが最新のApple Watchにも対応するので、無駄にはならないはずです。Apple Watchは、全国家電量販店のオンラインストアでも購入できます。ヨドバシカメラやビックカメラ、Amazon.co.jpでは3%のポイント還元も付くのでお得です。今は外出も気軽にできない時期であることから、店頭で試着する余裕がなければオンラインストアを利用するのも有効です。ただし、Apple Store限定の「ソロールプ」「ブレイデッドソロループ」の2種類のバンドは長さ調整ができない構造なので、購入前のフィッティングは欠かせません。ダウンロードしたPDFデータを紙にプリントして巻き尺のように使える専用の測定ツールなどを活用して、自分の手首に合うサイズのバンドを確認してから購入を進めましょう。 著者 : 山本敦やまもとあつしジャーナリスト兼ライター。オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。独ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」を毎年取材してきたことから、特に欧州のスマート家電やIoT関連の最新事情に精通。オーディオ・ビジュアル分野にも造詣が深く、ハイレゾから音楽配信、4KやVODまで幅広くカバー。堪能な英語と仏語を生かし、国内から海外までイベントの取材、開発者へのインタビューを数多くこなす。
山本敦