3人家族の平均的な電気代を確認して節約方法を検討しよう
3人家族の電気代や光熱費は、全国平均でいくらぐらいかかっているでしょうか。総務省統計局による家計調査の最新版から、世帯人数別に比較表を作成しました。以下は、世帯人数1人~6人以上の光熱費・電気代・ガス代・上下水道代の月額料金です。
世帯人数 | 光熱費全体(月額) | 電気代(月額) | ガス代(月額) | 上下水道代(月額) |
---|---|---|---|---|
1人 | 1万405円 | 5,055円 | 2,914円 | 2,016円 |
2人 | 1万9,459円 | 9,515円 | 4,354円 | 4,255円 |
3人 | 2万2,614円 | 1万932円 | 4,960円 | 5,528円 |
4人 | 2万4,121円 | 1万1,788円 | 5,202円 | 6,298円 |
5人 | 2万5,134円 | 1万2,471円 | 4,836円 | 6,737円 |
6人以上 | 3万1,296円 | 1万6,003円 | 5,073円 | 8,836円 |
これらの情報から、3人家族の光熱費を中心に、世帯人数別の特徴を確認しましょう。
3人家族の平均的な1カ月あたりの電気代は1万932円です。電気代を東京電力のスタンダードSプランで計算してみると、1カ月あたりの平均電気利用量は約405kWhとなります(スタンダードS:120kWhまで19.88円/1kWh、121kWh~300kWhまで26.46円/1kWh、301kWhを超えた場合は30.57円、20Aで基本料金572円として計算)。
世帯人数別の電気代の変化に注目してみましょう。
世帯人数 | 電気代(月額) | 1人あたりの電気代(月額) |
---|---|---|
1人 | 5,055円 | 5,055円 |
2人 | 9,515円 | 4,758円 |
3人 | 1万932円 | 3,644円 |
4人 | 1万1,788円 | 2,947円 |
5人 | 1万2,471円 | 2,494円 |
6人以上 | 1万6,003円 | 2,667円 |
6人以上を除けば、世帯人数が増えるほど1人あたりの電気代は安上がりになっていることがわかります。冷蔵庫や洗濯機・エアコンなど、家庭全体で共有している家電を効率良く使えているからだと想像できる数字です。
3人家族の平均的な1カ月あたりの平均的な光熱費全体の金額(電気・ガス・水道・その他光熱費)は2万2,614円です。ガス代は4,960円、上下水道代は5,528円となっています。光熱費全体をみると、世帯人数が1人から2人に増えるときは倍近い金額になっていますが、3人以降は上昇する金額はなだらかです。
家計調査の結果だけ踏まると、2人家族から3人家族に増加しても電気代や光熱費に大きなインパクトはないようにみえます。ただし夫婦2人で暮らしていて赤ちゃんが産まれ3人家族になるパターンの場合、光熱費がグンと上がる要因がいくつもあります。
2人暮らしの夫婦に赤ちゃんが産まれ3人家族になると電気代が増える原因として、主なものを紹介します。
「夫婦で暮らしている部屋が手狭になる」「将来子供部屋を作りたい」など、子供が増えるタイミングで部屋数の多い物件に引っ越したいと考える人は少なくありません。
部屋数の多い物件への引っ越しは、電気代が上がる要因のひとつです。特に気密性の高いマンション暮らしから一軒家に引っ越す場合、電気代は大きく変化する可能性があります。
部屋数の多い物件に引っ越すタイミングで、契約アンペア数が上がるケースもあります。契約アンペア数が上がると基本料金が上がり、その分電気代がアップします。
赤ちゃんが増えることで、部屋を適温に保つためエアコンをかけっぱなしにしたり、冷蔵庫や洗濯機を大型のものに入れ替えたりすることも多々あります。これらはすべて電気代が上がる要因のひとつです。
夫婦共働きで自宅には日中誰もいない時間が多い場合、電気代のかかる日中に電気の消費量が少なく、電気代も安上がりです。しかし、赤ちゃんが生まれてお世話をする大人が一日中家の中で過ごすようになると、当然その分電気の消費量は多くなります。
電気の使用量がアップすると、段階的に上がることをご存じでしょうか。東京電力のスタンダードSを例に挙げると、1kWhあたりの電気料金は、120kWhまでは19.88円、121kWh~300kWhまでは26.46円、301kWhを超えた場合は30.57円です。
3人家族の平均的な電気使用量は、約405kWhであり、301kWhを超えています。電気の使用量が増えると、最も高い従量料金で電気代が加算され続けることになり、電気代の上昇スピードが加速します。
そもそも、3人家族で暮らす場合、節電を考えるなら集合住宅(マンション)と戸建て、どちらがいいでしょうか。
一般的には、集合住宅よりも戸建ての方が電気代はかかると言われています。マンションの構造は、戸建て住宅に比べて気密性・断熱性が高く、構造上の特徴からマンションの方が電気代は安くなるということが考えられるためです。
また、これも一般的な話として、居住空間が広い戸建ての方が、冷暖房に使う電気代が増えると考えられます。
集合住宅の場合でも、居住階や日当たりなどの状況により、冷暖房費がかかり電気代が高くつく可能性があります。マンションでも空間が広いLDKがある場合などは、冷暖房費がかかる傾向にあります。
一般的には戸建てよりも集合住宅の方が電気代は安いと言えます。しかし、実際に引っ越し先を検討する場合は、マンション・一軒家などの属性だけでなく、物件の特徴を比較することが重要です。戸建てでも高気密・高断熱の住宅はあるため、「絶対に戸建ての方が電気代は高い」というわけではありません。
「なぜ集合住宅の方が電気代は安いのか」という理由は覚えておきましょう。実際に物件を選択する際、物件ごとに電気代がかかりそうかどうかをある程度予測できるようになります。
3人家族、特に赤ちゃんが1人増えて3人家族になったご家庭で実践しやすい節電術と光熱費の節約術を紹介します。
電気料金プランや電力会社はこのままでいいのか、見直しをしましょう。夫婦共働きならば、日中に電気を使わない生活スタイルに最適な料金プランなのかどうかは、必ずチェックしておきたいポイントです。
引っ越し先の電気料金プランの契約アンペア数が大きい場合、可能なら契約アンペア数を下げることで基本料金が下がります。東京電力によると、2015年時点で一般家庭の平均的なアンペア量は34.88Aです。3人以上の場合、適切なアンペア数は30~60Aと言われています。
ただし、契約アンペア数を低くしすぎるとブレーカーが落ちる原因となり何かと不便です。
電化製品に必要なアンペア数は、以下の式で求められます。
電流(A) = 電力(W) ÷ 100V(一般家庭用電圧)
家庭で同時に使用する可能性のある電化製品のアンペア数を合計することで、最大いくらのアンペア数が必要か判断できます。契約アンペア数が最大の60Aになっている場合は、本当にそれだけのアンペア数が必要か検証して、問題なければ契約アンペア数を少なくしましょう。
できる限り同じ部屋で過ごし、エアコンは1カ所で稼働するよう意識することも重要です。エアコンのような冷暖房の家電は、長時間広い場所で稼働するとそれだけ電気代がかかります。赤ちゃんと過ごす部屋は、広いLDKよりも狭い部屋にするだけでも、エアコンの電気代が節約可能です。
お風呂は、光熱費の中でもガス代・電気代・水道代など光熱費のすべてが関係してくるため、入り方を工夫することで光熱費全体の節約が可能です。シャワーは最小限にして、家族が入浴する時間はできる限り間を空けずにまとめて入るよう意識しましょう。
赤ちゃんが増えると汚れものが多くなり、洗濯物も非常に増えます。それでも、汚れものはサッと汚れを手で流しておくなどの工夫をしつつ、可能な限り洗濯物はまとめて行うように。それだけでも電気代と水道代の節約になります。
3人家族、特に赤ちゃんが産まれた家庭では、電気代が上がる要因が多々あります。それでも、新しく暮らす物件選びや日ごろの生活習慣、電気料金プランの見直しなどで、電気代を含む光熱費を節約する余地はあります。工夫をしながら光熱費の節約に挑戦してみてください。
参考文献総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類 001 用途分類(総数) 全国 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口総務省統計局 家計調査 家計収支編 2人以上の世帯用途分類 004 用途分類(世帯人員別)| 統計表・グラフ表示