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これで売れるとなぜ思った!? 超大味ヒュンダイからヒョンデへの名称変更とその勝算

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 韓国の自動車メーカー・ヒョンデ(現代)が日本への再進出を発表した。 2001年に『ヒュンダイ』として日本に登場したが販売がふるわず、2010年に日本市場から撤退した。今回、名称を『ヒョンデ』としてEVとFCVをひっさげて日本に再進出。【画像ギャラリー】知らないのは日本だけ??ならばぜひとも知りたい!!日本に再進出するヒョンデ(現代)のEV&FCV(11枚) 二度目の進出に勝算はあるのか!?清水草一氏がレポートする。文/清水草一、写真/ヒョンデモビリティジャパン

これで売れるとなぜ思った!? 超大味ヒュンダイからヒョンデへの名称変更とその勝算

■一度目の撤退を教訓にヒュンダイが『ヒョンデ』となって日本再進出

ヒョンデの日本再進出の切り札アイオニック5

 韓国の自動車メーカー・ヒョンデ(現代)が日本への再進出を発表した。今回はEVとFCVに限ってのもので、しかもオンライン販売に特化するという。これはいずれ国産メーカーにとって、大きな脅威になると見る! 現代自動車はかつて一度、日本市場に挑戦している。 2001年、「ヒュンダイ(当時の日本での呼称)を知らないのは日本だけかもしれない」という宣伝文句の下、「ヒュンダイ・ソナタ」や「ヒュンダイXG」などを販売したが大苦戦し、2010年に日本市場から撤退した。10年間で日本で売れた現代車は、たったの1万5000台ほどだった。 私は現代の日本進出直前、済州島で行われた試乗会に参加し、現代車3台に乗った。当時すでに現代は欧米に大いに進出し、かなりのシェアを奪っていた。日本への進出は、世界198か国目だったという。 が、その時はまだ日本車に比べると、内外装のセンスもメカも大味で、「日本車より最低2~3割安くないと、日本では売れないな」と感じた。 ところが実際の日本での値付けは、日本車とほとんど変わらなかった。しかも値引きなしのワンプライス販売だったから、実際には値引きの大きい日本車より高かった。当時の日本人は、韓国製のあらゆる製品を見下していたから、ブランド力はゼロどころかマイナス。これでは失敗するのも当然だ。

■日本撤退から12年……驚くほどに進化した韓国自動車

アイオニック5と並ぶもうひとつの切り札ネッソ

 実を言えば私は、割合、韓国自動車通だ。95年には自分のフェラーリで韓国に渡り、かの地で当時の韓国車に試乗したし、その後も2回、韓国でレンタカーの旅をしている。 「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」という状況は続いているが、私は日本人としては、ヒョンデ(現代の新しい呼称)を知っている方だ。 そんな私も、2010年の渡韓を最後に韓国車に乗っていないのだが、その時乗った現代エラントラ(4代目)の質感には衝撃を受けた。 3代目エラントラは、日本でも販売されたが、国産ライバルであるカローラと比べると、まだかなりの差があった。しかし4代目エラントラは、目をつぶって乗ったらカローラとの差がわからないくらい、すべてが向上していた。その時点ですでに私は、「日本車はもう韓国車に追いつかれている」と感じた。 現在、現代グループは世界で約700万台を売り、トヨタを除くすべての日本メーカーを超えている。 多くの日本人は認めたくないだろうが、海外での評価も価格も、日本車とほぼ変わらない。「韓国車は安いから売れる」という時代は終わっている。家電と似たような状況だ。いや、家電ではすでに、日本製品は韓国製品に完敗した……。 ただ、前回のように正面から日本市場に挑んでも、勝ち目はない。どれだけKポップがヒットしても、中高年層には嫌韓感情も強いし、日本人には、あえて韓国車を選ぶ理由がないからだ。 ところが今回は、販売戦略が斬新だ。まずはディー・エヌ・エー系のカーシェアサービス「エニカ」と組んで、購入前に試乗してもらい、気に入ったら購入。 購入後もエニカを通じて、使わない時はカーシェアリングに貸し出すことができるのだ。これは非常に魅力的ではないだろうか。もともとEVは家電やスマホに近い存在なので、あまりブランドにこだわる必要もないはずだ。

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