2009年12月に日本の乗用車市場から撤退後、約12年ぶりに再上陸を果たしたHyundai Mobility Japan(以下、ヒョンデ)。
そのヒョンデが、2月19日(土)〜5月28日(土)の期間限定で、ライフスタイル提案型POP UPスペース「Hyundai House Harajuku(ヒョンデ ハウス 原宿)」を、原宿駅前に位置するJing(ジング)原宿にオープンした。
さらに同スペースでは、「働く・遊ぶ・纏う・食べる・住まう」の各分野で活躍する5人のクリエイターとヒョンデとの共創プロジェクト「 “LIFE MOVES. ” People 」に関する興味深い特設展示も開始した。
ということで、「Hyundai House Harajuku」の内覧会に伺い、EVの「IONIQ 5(アイオニック5)」、FCVの「NEXO(ネッソ)」の実車とも対面できたので、その様子をレポートしてみたい。
さて、「Hyundai House Harajuku」は、ヒョンデが掲げている “LIFE MOVES.”=ZEV(Zero Emission Vehicle)から生まれるサステナブルで創造的な新しいライフスタイルを具現化し、それを実際に体験できるスペースとなっている。それを日本のカルチャー発信拠点である原宿の中心に位置するJing原宿内に、2フロア900平米の面積を利用して設置。
そして、車両展示や試乗・購入相談などといった通常の自動車販売におけるショールームの役割でだけでなく、5人の「 “LIFE MOVES. ” People 」との共創プロジェクトから生まれた新しい暮らしのアイデアの展示や、EV「IONIQ 5」、FCV「NEXO」を五感で楽しむことができるインスタレーションなどの様々なコンテンツが用意されている。
こちらは、LIFE MOVES.に共鳴する5人のクリエイターとともに、ヒョンデのZEVによって実現する自由で豊かな暮らしのアイデアを創りだす「LIFE MOVES. People」プロジェクトの展示ギャラリーとなっている。当初は「住まう」をテーマに、建築家・長坂常氏が生み出した「Mobile House“旅する住まい”」を皮切りに、期間ごとに様々なアイデアを順次紹介していくのだという。
【5人のクリエイターとテーマ】
1)住まう:長坂常氏(建築家)「旅する住まい」IONIQ 5 で牽引して、都市生活を日常のまま自然に持ち出すことができるモバイルハウスを開発。光を透過するしなやかな外装で自然に溶け込みながら、IONIQ 5 のV2Lによって、料理や仕事はもちろん、大スクリーンで映画を楽しむ、新しい住まいを提案する。
<PROFILE>スキーマ建築計画代表。主な設計建築にBLUEBOTTLE COFFEE店舗や黄金湯、武蔵野美術大学 16号館、D&DEPARTMENT JEJU by ARARIOなどがある。著書は『長坂常: 常に思っていること』。趣味のSUPでは、都内の川や東京湾を回っている。
2)働く:工藤桃子氏(建築家)「WORK CLOUD」誰でも好きな場所で、IONIQ 5のV2Lを利用し空気で膨らませると、拠点を作れ、ワーケーションを可能にするプロダクトを開発。雲に乗るように自由に、好きな場所に拡散し、浮かぶようにWORKを、そしてLIFEを楽しむことができるプロダクト。
<PROFILE>一級建築士。MMA Inc.主宰。帝国ホテルの「GARGANTUA」や、表参道の「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」、細野晴臣デビュー50周年記念展「細野観光1969 – 2019」のデザインや、個人邸などの建築設計を手がける。
3)遊ぶ:大田由香梨氏(ライフスタイリスト)「水の惑星で遊ぶPlay in the Water planet」サステナブルな未来の暮らしのヒントを、「水」の循環の中で遊びながら学ぶことのできる一泊二日のラグジュアリーツアーを開発。排出するのは水だけ。そして走りながら空気を綺麗にする車・NEXOで、長野県野沢温泉村を訪ね、水、自然の中で遊びながら、水の循環、暮らしの循環を体感し、これからの暮らしのヒントを学べる。
<PROFILE>ライフスタイリスト。株式会社スリーピングトーキョー取締役。プラントベース&ヴィーガンカフェ「ORGANIC TABLE BY LAPAZ」の経営・プロデュース。ファッションスタイリストの視点から、「衣・食・住」をスタイリングする”ライフスタイリスト”という新ジャンルを確立。クリエイティブな活動を通して、サステナブルで循環型のライフスタイルやビジネスモデルを広めている。
4)纏う:石川俊介氏(ファッションデザイナー)「Sustainable Travel」IONIQ 5のインテリアで使用されているサステナブル素材を活用した、トラベルバッグを開発。洗練されたデザインと、自然の中でも楽しめるタフさを兼ね備えた、サステナブルなファッションアイテムとして提案する。
<PROFILE>ファッションデザイナー EXISTENCE(イグジステンス)ファウンダー。「marka(マーカ)」や「MARKAWARE(マーカウェア)」でデザイナーを務める一方、2019年よりサステナブルなユニセックスブランド「Text(テキスト)」も展開。ファッションとサステナブルの融合を模索している。天然素材を求め、単身で世界を旅する。
5)食べる:五十嵐創氏(農家/シェフ)「食の循環を体験する」神奈川県の藤野で、土を耕し、野菜を収穫し、調理し、食べ、自然に帰すまで。食の一連の循環を体験できるサステナブル・フードツアーを提案。また、そのツアーで使用するための、IONIQ 5のV2Lで給電して使用するモバイルキッチンも開発中。
<PROFILE>料理人、農家。オーガニック農家レストラン「土とシェフ」オーナー。東京農業大学短期大学部卒業。「広味坊 千歳烏山本店」を経て、神奈川県の藤野に移住。食の循環社会を目指して、料理人と農家の領域を行き来しながら活動する。
何やら異次元世界のようなこちらは、HyundaiのEV「IONIQ 5」のデザインコンセプトであるParametric Pixel(パラメトリックピクセル)の世界に没入できる、鏡と映像によるフォトジェニックなインスタレーション空間。
こちらでは、EV「IONIQ 5」の実車を展示しつつ、その特徴を体感できる空間。豊富なエクステリアカラー・サステナブルなインテリア素材を様々な角度から見ることができるライブラリーに加え、V2H機能(EVのバッテリーに蓄えられた電力を家庭内で利用する仕組み)を体験できるリビングルームスペースも。
さらに、V2L機能(EVのバッテリーに蓄えられた電力から電化製品等に直接給電する仕組み)を利用して、来場者が演奏できるキッチン型のDJブースなどを設けている。
キッチン型のDJブースでは、ブルーのスイッチを操作することで演奏が楽しめる
「IONIQ 5」のインテリアで使われているサステナブル素材を紹介
「IONIQ 5」のボディカラーを朝日から夕暮れ、夜のネオンのもとでどのように見えるのか確認できる
先進運転支援システム(ADAS)などの様々な新技術を搭載する「IONIQ 5」に乗車しながら、前と左右に映し出された映像で、その安全性能と快適なドライビングを体験できる約15分間のドライビングシアター。
こちらのスペースでは、水素で走行し、環境汚染物質排出ゼロに加えて、微小粒子状物質(PM2.5)を取り除く空気清浄機能を実装したFCV「NEXO」を展示。この「NEXO」から排出される水によって、水分を補給する植物を全体に配置した庭のような空間を演出。緑に癒されながら、その機能を学ぶことができる。
そして、2階のスペースには、長時間の滞在にも対応するドリンクバー併設のラウンジを開設。好みのドリンクやスナックを楽しみながら、落ち着ける空間となっている。また、Consulting Barでは、ヒョンデのスペシャリストがクルマのより詳細な製品の説明を行なうほか、購入相談にも対応してくれる。
さらには、「IONIQ 5」のデザインコンセプトParametric Pixelをモチーフにした、ライフスタイルアイテム「Pixel Toy」の展示スペースも設置されているので、カップルや家族で訪れても楽しいかも。
※利用の際はHyundai公式ホームページからの会員登録が必要となる。
さて、この「Hyundai House Harajuku」では、空間を構成する壁紙や建材等には環境配慮素材を積極的に使用するなど、サステナビリティへこだわったスペース設計となっているとのこと。したがって、利用した家具等は期間終了後、再利用やフリマアプリ等の二次流通網を利用した販売をするなど、廃棄物を極力削減する取り組みを実施する予定だという。
もちろん、こちらではEVの「IONIQ 5」、FCVの「NEXO」とも試乗が可能となっている。試乗には、基本的には事前予約が望ましいが、空き枠があれば当日でも受付が可能だとのこと。“クルマは走らせてナンボ!”だと思うので、ぜひ興味ある方は試乗してみてはいかが?
■「Hyundai House Harajuku」概要所在地 :東京都渋谷区神宮前6-35-6営業期間:2022年2月19日(土)〜5月28日(土)営業時間:平日 11:00〜20:00 休祝日 10:00〜20:00休館日 :なし入場方式:入場無料試乗予約:https://www.hyundai.com/jp/purchase/test-drive
関連情報:https://www.hyundai.com/jp/brand/brand-space
取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメや家電、ファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。